削除の基準は何?

Facebookが大病を患う赤ん坊の写真を「不適切」と削除し、非難される

2012/05/24 11:45
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ウォーカー一家の様子を伝える「RadarOnline.com」

 18日、ナスダック市場で歴史的な上場を果たし、その翌日には創業者のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者が9年間の交際を実らせ挙式するなど、先週末は何かと幸せな話題を振りまいていたFacebook。しかし、株価は予想を裏切り下がり続けており、今後、ますます厳しくなっていくのではないかと懸念する声が上がっている。そんな中、とある夫婦が掲載した生後間もない赤ん坊の写真が「不適切」だとしてFacebookから削除されてしまった。赤ん坊は無脳症であり、その姿をFacebookは「問題あり」と判断。性的表現は許容しているのに、赤ん坊の写真がなぜダメなのかと騒動になっている。

 Facebookが「当SNSサイトにふさわしくない」と問題視したのは、テネシー州メンフィス在住のウォーカー夫婦の間に生まれた第3子グレイゾン・ジェームズ・ウォーカーの写真。グレイゾンは、無脳症という、大脳や小脳が欠損したり小さかったりする疾患を抱えており、生後わずか8時間で息を引き取った。夫婦は妊娠4カ月目の定期健診で、赤ん坊が無脳症であることを告知されたが、母親のヘザーは「臨月までおなかの中で育てたい」と希望。産んでも、数時間しか生きられないことを知った上で妊娠を継続し、2月15日、帝王切開でグレイゾンを出産した。

 敬虔なクリスチャンであるヘザーは、おなかにいる我が子が無脳症であるという事実をすぐに受け止めたものの、心の痛みをぬぐうことはできず、その気持ちをブログにしたためるようになった。妊娠の記録や、幼い2人の子どもたちが弟の誕生を心待ちにする様子、同じような状況の母親との交流などをつづったこのブログは、次第に注目されるように。そして、出産当日、「Now I Lay Me Down To Sleep」というチャリティー団体がプロの写真家を送る手配をし、記念すべき家族写真の撮影が実現したのだった。

 プロの写真家に撮影してもらった家族写真に大満足したヘザーは、同じ状況に置かれた人たちに勇気を与えられればと、Facebookに写真を掲載。しかし、Facebookは「コンテンツに問題がある」として速攻で写真を削除し、ヘザーがFacebookにアクセスすることを24時間禁止する処置を取ったのだった。

 ヘザーは、「ヌードすれすれの写真や下品で不敬な発言などを容認しているのに、神がお造りになられた美しい赤ん坊の写真は掲載してくれないだなんて」と気落ちしてしまい、このことを知った友人たちは大激怒。自分たちのFacebookのページにグレイゾンの写真を載せて、Facebookが冷酷な対応をしたことを拡散してほしい、シェアしてほしいと呼びかけた。

 このことを、米芸能ゴシップサイトの「RadarOnline.com」が記事にしたところ、たちまち大きな反響を呼び、Facebookも公式な謝罪声明を発表。


 Facebookのスポークスマンは、「調査の結果、写真はガイドラインに違反していないという結論に達した。削除は、こちらのエラーにより行われたものだった」と述べ、「Facebookのユーザーは約10億人おり、毎日3万枚もの写真が掲載される。我々のユーザー・オペレーション・チームは、不適切なものはないか、日々、何百枚もの写真をチェックしており、毎週、何百、何千もの報告に目を通している。これだけ膨大な数を処理しているため、時々、間違えてしまうこともある。削除すべきではないコンテンツを削除してしまうというような、間違えをしてしまうことが時々あるのだ」と弁解。「家族に心からお悔やみ申し上げると共に、ご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げます」という言葉で結んだ。

 「RadarOnline.com」の取材に対してヘザーは、「削除された時は、頬を叩かれたような気持ちになったけれど、Facebookを退会しようとは思わなかった。私にとっての癒やしだから」「Facebookがミスをしたことで、私たちのことを、たくさんの人に知ってもらえた。私たちと同じ悲しみを経験した何千人もの人たちとつながることができたの。私たちのことを知り、勇気づけられたという人ともつながったわ」とコメント。Facebookが地元メディアに対して説明した、「ヘザーが、写真をアップロードすることを24時間禁じた」というのは間違いであり、すべてのアクセスを禁じられたのだと主張したものの、「今回の騒動で多くの人とつながることができて、よかったと思う」と寛大な気持ちで語った。ヘザーはブログにグレイゾンの写真を掲載しており、今も更新を続けているという。

 なお、19日に既婚者となり100万件を超す「いいね!」をもらった同社の最高経営責任者、マーク・ザッカーバーグが、この騒動を知っているのかどうかは不明だと伝えられている。

『フェイスブック 若き天才の野望』


なんのために人をつなぎたいのさ?

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最終更新:2012/05/24 11:45