“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第741回】

中居正広問題、「文春」より先に報じた「女性セブン」の重要な指摘

2025/04/08 21:00
神林広恵(ライター)

サイゾーオンラインより】

独立会見での中居正広(写真:サイゾーウーマン)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 またしても驚きの報道が。あの広末涼子が静岡県内の新東名高速道路で事故を起こし搬送先の病院で看護師に暴行を加え逮捕されたというのだ。

 なぜ暴行を? 不倫騒動から地上波復帰を果たしたばかりなのに、お騒がせ女優として、またもや大きなエピソードを加えた形だ。さらに警察が広末の身分証明書などの照会がなぜかできなかったため、“自称広末涼子”と発表したことも話題に。これまたなぜ(笑)?

目次

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
中居正広問題に関する第三者委員会報告書の波紋
中居問題を最初に報じた「女性セブン」の重要な指摘
中居正広がフジテレビに“逆ギレ”!?
Snow Manと滝沢秀明の複雑な関係

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3

第741回(4/3〜4/8発売号より)
1位「中居正広とフジテレビ 本誌だけが知る全真相 性暴力報告書隠された嘘」(「女性セブン」4月17日号)
2位「中居正広『俺も洗いざらいバラす』フジに逆ギレ暴走」(「女性自身」4月22日号)
3位「Snow Man vs滝沢秀明『哀しき師弟』歌舞伎で仁義なき衝突」(「女性セブン」4月17号)
※「週刊女性」は合併号休み

中居正広問題に関する第三者委員会報告書の波紋

 中居正広問題に関する第三者委員会の報告書が波紋を呼び続けている。報告書では本件が明確に中居の“性暴力”だと認めており、被害者の元フジテレビアナウンサーにとって、それが「業務の延長線上」に起こったことだったと明らかにされたからだ。

 しかも中居による性暴力が起こった後もフジは一貫して中居側に立ち、弁護士まで紹介し、自社社員でもある被害者のアナウンサーを追い込んでいったことも明らかとなった。さらに中居がいかに被害者を狡猾に誘い出したか、そして性暴力を行った後も、フジの編成幹部と共に隠蔽工作まで行っていたことも。

 このようにフジは自社社員よりも中居を守っていたにもかかわらず、それを否定するだけでなく、“恋愛トラブル”などと矮小化さえしていたのだ。

 だが驚いたのは、報告書だけではない。報告書公表を受け、テレビの情報番組なども報告書について取り上げたのだが、この問題に対するコメンテーター(特に男性コメンテーター)がひどかった。その筆頭が東野幸治だろう。

「文春」をおかしいと指摘、論点ずらしする存在

 4月6日に『サンデージャポン』(TBS系)に出演した東野だが、MCの太田光や専門家の解説に一貫して不満顔。そして言及したのが、被害女性のケアを丸投げされた「アナウンサーF」についてだった。当初親身になっていなかったと報道されたことがおかしいと指摘、続いて、報じた週刊誌に法的責任の可能性があるとの弁護士の発言を引き出したのだ。

 同様の主張は4月6日の『Mr.サンデー』(フジテレビ系)でもあった。社会学者の古市憲寿氏が「文春はFさんのことを悪人って書いたんですよ」などと「週刊文春」(文藝春秋)への怒りを表明したのだ。

 これらの発言を聞いて、2月初旬に起こった騒動を思い出した。当初この問題を報じた「週刊文春」が、「被害女性は編成幹部に誘われた」としていたが「中居に誘われた」「A氏がセッティングしている会の“延長”として認識」と訂正した問題だ。

 この際、同じく古市氏らが「文春を廃刊に!」などと主張、あたかもフジテレビが「文春の誤報の被害者」であるかのような風潮が生まれたことだ。

 もちろん今回公表された報告書を見れば、そんな主張は大間違いだったことは明らかだ。しかも、こうした論調は物事を本筋からどんどん離れさせてもいく論点ずらしであり、矮小化だ。加害者よりその加害を報道したマスコミをバッシングする――。

 だが、考えて見てほしい。そもそも、もし「週刊文春」がこの問題を取り上げなかったら、現在でも被害女性の人権は軽視されたままであり、中居の性暴力の事実は黙殺され続けていただろう。さらに言えば、被害者が増えていた可能性さえある。にもかかわらず報告書が出た現在でも、そんな主張をするコメンテーターや加害者の仲間だった芸人が存在する。

中居問題を最初に報じた「女性セブン」の重要な指摘

 暗澹たる気分だが、本題にいこう。それはもちろん、「文春」より先にこの問題をスクープした「女性セブン」が報告書についてどう報じているかだ。そこには、さすがスクープ雑誌としてふさわしい内容が記されていた。

 まずは報告書でさえも触れられなかった“暗部”が存在するというものだ。それがフジテレビ上層部の卑劣な被害者女性攻撃だった。

「Aさん(被害者女性)の退職以降、フジテレビ上層部には『中居さんとの一件は、プライベートな恋愛トラブルであったのに、彼女は金銭目的で大騒ぎし、実際に巨額の示談金を得た』と、まるでAさんを攻撃するかのような言説を流布する勢力がいたのです」(フジテレビ関係者のコメント)

 そして「セブン」は、これは被害者に対する“三次加害行為”にもかかわらず、報告書ではそれが無視されたと指摘している。加えてフジテレビは、性加害を上層部が知った後も「そもそも中居さんの起用を止める気がなく、ほとぼりが冷めたら平気で起用するつもりである魂胆が見え見えでした」(芸能関係者のコメント)という卑劣な方針だったこと、また中居の行為は被害届が出れば刑事事件化する可能性さえあったものだとの指摘もなされている。

 さらに中居が性暴力を行った後の心情も。

「彼としては、Aさんとのトラブルもうまく解決し、芸能活動を続けられるはずだったという思いがいまもあるのでしょう」(芸能関係者のコメント)

 確かに。「セブン」の中居問題第一報スクープは、そんな論調だったしね。

中居正広がフジテレビに“逆ギレ”!?

 そして「女性自身」も今回の報告書について記事にしている。その内容は中居の卑劣ぶりについてだ。記事によると、そもそも中居は引退発表の時点で、「将来的に裏方から芸能界に戻る可能性も視野に」入れていたらしい。

 しかし今回の報告書でそれも消滅し、その責任が“フジテレビのグダグダ会見”にあったと憤り、“もう洗いざらいバラしてもいい”と逆切れする可能性もあると推測している。中居によるフジテレビ暴露。ぜひ、その実現に期待したい。

 こうした中居正広による性暴力事件だが、その根底には中居が長年過ごしたジャニーズ事務所の体質、そして卑劣な性加害を長年行ってきたジャニー喜多川氏の“人権無視”体質の影響を無視できないだろう。もちろん、それを黙殺し続けたマスコミの責任もだ。

Snow Manと滝沢秀明の複雑な関係

 そんなジャニーズ事務所もいまや解体されたが、しかし関連話題には事欠かないらしい。ジャニーズ喜多川氏の後継者といわれながら、事務所を出てTOBEを設立して今年で3年目の滝沢秀明がビッグプロジェクトを発表した。

 5月から6月にかけて上演される、自ら手がけたアイドルグループIMP.の初主演舞台『IMPACT』(製作・松竹)だ。舞台の演出・構成は滝沢が手掛け、IMP.だけでなくTOBEのアーティストたちがさまざまな形で集結する舞台だが、一方で滝沢からSnow Manに引き継がれたはずの『祭 GALA』(製作・松竹)の公演企画が消滅したのではないかといわれているらしい。

 同じ松竹製作で、内容も酷似しているとささやかれる2つの舞台。そして旧ジャニーズ(現・STARTO ENTERTAINMENT)と、そこから飛び出したTOBE。今後もいろいろありそうで――。

神林広恵(ライター)

神林広恵(ライター)

伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」(噂の真相)の元デスク。著書に『噂の女』(幻冬舎)、共著に"『日本を脅かす! 原発の深い闇』『木嶋佳苗 法廷証言』(共に宝島SUGOI文庫)などがある。

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最終更新:2025/04/08 21:00
中居正広という生き方
ジャニーの被害者が加害者になる負の連鎖