サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」宇垣美里はメンタルが強くない? コラム 仁科友里「女のための有名人深読み週報」 宇垣美里、実はメンタルが強くない? マイメロ理論とコーヒーぶちまけ事件に見る“敏感さ” 2024/03/08 12:00 仁科友里(ライター) コラム 私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。 今もマイメロを心に宿しているのか……(C)サイゾーウーマン <今回の有名人> 「私は人からの悪意に鈍感なようで」宇垣美里 総合ニュースサイト「ENCOUNT」 3月6日配信インタビュー記事 目次 ・宇垣美里の自己分析 ・「マイメロ理論」に見る宇垣美里の性格 ・宇垣美里が「すごく傷つきやすい人」である理由 宇垣美里、「ゆるぎない自己を持って生きてきた」と言うけれど…… キー局の女子アナとなって人気を博し、顔と名前を売った後に結婚、フリーに転身してイベントの司会をしたり、女性誌に連載を持って自分の生き方を語る――。こういう女子アナの王道は、完全に過去のものとなったのではないか。 元フジテレビ・高橋真麻は、独身時代にフリーに転身、現在は情報番組やバラエテイ番組に出演し、ほとんどタレントといっていいだろう。元TBSの田中みな実もやはり、未婚で退社し、今では美容のインフルエンサーとなって、念願の女優への転身を果たした。田中のTBSの後輩にあたる宇垣美里も同様で、昨今は声優やモデル、文筆業など、アナウンサーの仕事にこだわらずに活躍の場を広げている。 現在、連続ドラマ『シンデレラ・コンプレックス』(MBS)に出演中の宇垣は、総合ニュースサイト「ENCOUNT」のインタビューに登場。ドラマの内容に絡めて自身の半生を語る宇垣は「内向きにゆるぎない自己を持って生きてきたので、他人の嫌味や嫉妬もあまり気にならないのだと思います」「私は私を軽んじる人の近くにい続けることはしませんので」「私は人からの悪意に鈍感なようで、ある意味、他者のネガティブな反応にもあまり関心がないようです」と語っていた。 SNSでは、自分軸(宇垣の言うところの「ゆるぎない自己」)を持とうとか、自分を軽んじる人から逃げろという意見が称賛されているが、宇垣は自身を、これらを地でいく、メンタルの強い女性であると言いたいのだろう。しかし、失礼ながら、私には彼女はメンタルが強いとは思えず(むしろ逆)、人からの悪意に敏感すぎるタイプなのではないかと思う。 「マイメロ理論」からわかる宇垣美里の傷つきやすさ 過去と現在では考え方が変わるのが当たり前なので、古い話を蒸し返してなんだが、宇垣といえば、2017年、局アナ時代に提唱していた「マイメロ理論」が思い浮かぶ。これは理不尽なことで怒られたり、トラブルに見舞われたりしたとき、「私はマイメロだよ~。この人マイメロに向かって何言ってるんだろう。よくわかんないけど、イチゴ食べたいで~す」と頭の中で想像し、現実逃避するというものだった。マイメロ理論は、若い女性に好意的に受け入れられていた気がする。 上司や先輩からお説教された時、表向きは「すみませんでした」と殊勝に謝りながらも、心の中では「早くこの話終わらないかなー」と思っている。そんな経験をした人は多いだろうが、宇垣の宇垣たるゆえんは「この人、マイメロに向かって何言ってるんだろう」と相手をコケにするところではないだろうか。 もし本当に宇垣のメンタルが強く、かつ、注意されるようなことを「していない」と胸を張って言えるなら、別に相手をコケにしなくても、聞いているふりをして受け流し、同期や友達など気の置けない人と話して終わりにできると思う。 それではなぜ宇垣が相手を落とすのかというと、「攻撃は最大の防御」という言葉通り、自分を守りたいからではないか。「否定されたくない」という気持ちが強すぎるため、注意されたことでひどくプライドが傷つけられてしまう。しかもそれを周囲に悟られるのが怖いから、傷ついていないふりをするために攻撃的に振る舞う――。宇垣はそんな「すごく傷つきやすいタイプの人」のように思える。 宇垣美里、コーヒーぶちまけ事件の「悪者探し」に思うこと 宇垣といえば、TBS時代にプロデューサーとひと悶着あったことで知られている。番組降板を告げられたとき、プロデューサーに差し出されたコーヒーを壁に向かって投げつけたと週刊誌に書かれたのだ。 宇垣は、19年7月12日放送の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に出演した際、この事件の顛末を告白。本人いわく、降板を告げられたのが降板予定日1~2週間前と直前だったため、「決まっていたなら、もっと前に言うべきだし、失礼」と、プロデューサーの自分に対する態度に非礼があったと話していた。また、コーヒーをぶちまけた件については、「あなたからもらったコーヒーは飲めません」と目の前で流しに捨てただけで、「ぶちまけていない」と説明した。 若い人は、上司に対してもはっきり物を言う、強く出る宇垣の姿を痛快と思うかもしれない。しかし、これもまた私に言わせると、メンタルが弱いゆえだと思う。宇垣が降板すること=宇垣に非があるとは言い切れないし、降板についても直前に伝えられたのは、宇垣を軽んじているからとは限らない。 けれど、なんせ否定されることに弱い人だから、不当に扱われた、傷つけられたと憤慨し、「やられたらやり返す」とばかりに、「あなたからもらったコーヒーは飲めません」という思いを行動で示してしまったのではないか。 宇垣は同番組で「私とプロデューサーしか知らない話が、どうして外に出るの? TBSの民度が知れるわ」と古巣を批判して見せたが、「誰が悪い」と悪者探しをしてしまうのも、メンタルが弱い人の特徴だと思う。「あいつが悪いんだ」と悪者を決めれば、その人のせいにできるので自分が傷つかなくて済むからだ。 実際、同番組に出演した宇垣の親友は「強い言葉で武装しているだけ」と話しており、例えば、占い師に酷評されたときは自分に肯定的なほかの占い師を探し回ったりするなど、宇垣には「あなたは正しい」と言われたがりな部分があると指摘していた。 会社員なら、ある程度は上役から好意的な評価を得る必要があり、そのためには本心に背いた行動をとらなくてはいけないこともあるだろう。宇垣タイプの面倒くさいところは、上役に可愛がられるような行動はとらないくせに、可愛がられないとヘソを曲げるところではないか。 自分を軽んじてくる人から逃げるのは正解だが、なぜ軽んじてくるのかをガン無視しているところが気にかかる。とにかく言えるのは、この人は会社員には向いていないということ。フリーになってよかった。存分に芸能界でご活躍ください。 宇垣美里、桑子真帆……女子アナには「ウラオモテ」が必要!? 2021年話題の女子アナを斬る オンナの花形職業として羨望を集める存在ゆえか、何かと穿った見方をされがちな女子アナ。そんな彼女たちをウォッチし続けるライター・仁科友里が、2021年に話題を集めた女...サイゾーウーマン2021.12.30 仁科友里(ライター) 1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。 記事一覧 X:@_nishinayuri 最終更新:2024/03/08 12:00 TBSも辞めてくれてホッとしてるかもしれない…… 関連記事 宇垣美里、桑子真帆……女子アナには「ウラオモテ」が必要!? 2021年話題の女子アナを斬る松本人志を擁護する優木まおみ――無関係なことは「ないもの」とみなす彼女に思うこと井戸田潤、安達祐実との“結婚失敗”から考える、娘婿と義母がうまくいかない理由羽生結弦は元妻や元カノに「冷たい男」なのか? メダリストを神格化するマスコミの罪あのちゃんは失礼な後輩かもしれないが……実は先輩にとって「ラクな存在」であるワケ 次の記事 『大奥』、倫子の悲嘆ぶりに疑問符 >