サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」あのちゃんは先輩にとってラクな存在? コラム 仁科友里「女のための有名人深読み週報」 あのちゃんは失礼な後輩かもしれないが……実は先輩にとって「ラクな存在」であるワケ 2024/02/01 21:00 仁科友里(ライター) コラム 私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。 写真ACより <今回の有名人> 「僕は行かない」あのちゃん 『上田と女が吠える夜』(1月31日、日本テレビ系) 一気に売れたタレントは、ほぼ必ず「来年消える」といわれてしまう。2023年にブレークし、年末の『第74回NHK紅白歌合戦』にも出場したあのちゃんもその一人だが、彼女はバラエテイ番組で長く活躍できる存在になるのではないだろうか。 舌足らずな口調と、「僕」という一人称が特徴のあのちゃん。不思議ちゃんキャラでいくのかと思いきや、言動はなかなか激しい。 『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)で共演した大先輩の女優・泉ピン子を「ピン子ちゃん」呼びしたり(そのシーンは、番組の判断で全カットとなったそうで、放送はされていない)、スポンサーのいる前で商品を試食し、「おいしくない。ゲボの味がする」と発言したりなど、ヤバいエピソードには事欠かない。 けれど、よく見てみると、あのちゃんは結構、気が利いている。ピン子のような滅多に共演しない大先輩にはタメ口だが、みちょぱや藤田ニコルなど、ほかの番組で顔を合わせるであろうちょっと上の先輩にはきちんと敬語を使っている。 テレビ的には、あのちゃんが大御所に盾突いたほうが面白い。しかし、共演機会の多いちょっと上の先輩にタメ口を利き、「失礼な子だ」とみなされたら、面倒くさいことになることがわかっているのだろう。昨年の『紅白』への出場が決まった際も、素直に喜んで見せるなど、仕事へのやる気や野心はあるようだ。 「芸能人の飲み会に行かない」あのちゃん そんなあのちゃんといえば、「芸能人の飲み会に行かない」ことが広く知られ、相手が先輩でも断るそうだ。日本は総じて縦社会なので、先輩の誘いを断ることは難しい。ましてや礼儀に厳しいとされる芸能界で、先輩の厚意を無下にするような真似はなかなか難しいだろう。 しかし、あのちゃんは自分を曲げない。1月31日放送の『上田と女が吠える夜」(日本テレビ系)のテーマは、「きっぱり断れる女VS断れない女」。同番組MCのくりぃむしちゅー・上田晋也は、ゲストのあのちゃんに「絶対断れるタイプだよね」と確認を取ると「直接誘われても『行かない』(って言える)」と、自分はきっぱり断れる女であることをアピール。 上田が「あのちゃんが新番組始めました。スタッフから『1回目なんでよかったらスタッフと食事でもいかがですか?』なんてあるでしょ? そういう時はなんて言うの?」と尋ねても、あのちゃんは「いいですね! 行かない」と、やはり断るそうだ。 さらに「5年やった番組の最終回の打ち上げ、『あのちゃんもいかがですか?』って言われたらなんて言う?」という質問にも、あのちゃんは「本当にありがとうございました。行かない」と答え、感謝はしても飲み会には行かないことを明言した。 上下関係を重んじるタイプの人から見れば、あのちゃんは失礼な後輩かもしれない。しかし、彼女は年長者にとって、ある意味ラクな存在といえると思う。 次のページ あのちゃんは協調性のなさを隠さないことで好感度を上げる 12次のページ 関連記事 マツコとあのちゃんのイーブンな関係から生まれる笑い――「司会はゲストより上」という慣例に思うこと松本人志に「せこいよ」――ビートたけしの“粋な発言”に見る「被害者女性はカネ目当て」の論理立川志らく、松本人志擁護に見る「恩」という言葉の問題点と権威バイアスの強さ広末涼子と鳥羽周作シェフが結婚しないほうがいいと思う「2つの理由」とは?フワちゃんの遅刻癖がテレビで重宝されるワケ――2023年「わかりやすさ」を武器にした女芸人たち