コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験、偏差値35の私立中から慶應大学合格も……「ゆる受験」成功の女性が後悔するワケ

2024/01/13 16:00
鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

 近年の総合型選抜(旧AO入試)では、大学入学共通テストを受験し、各大学が定める一定の成績を取ることが前提である場合が多い。しかし受験生の入学意思や個性を重視していることには変わりない。

 また、企業も「答えのない時代」に突入したことから、「自分で考えて行動できる人」である「自立型人材」を欲しているといわれているが、大学側もそれを受けるような形で、より意欲的な学生を選ぼうという方向にシフトしている。つまり、今後は学力を担保した上で、総合型選抜を突破した学生が大学入試で主流になっていくということだ。

 一方、中学受験という側面から見るならば、無理をしないで手が届く中高一貫校を狙うゆる受験は、今後も増え続けると予測する識者は多い。しかし、梨々花さんのように、ゆる受験を後悔しているケースもあるということは意外と知られていない事実ではないだろうか。

 梨々花さんは、「楽な道が子どもにとって本当にいいとは限らない。この先、子どもが生まれたら、少なくとも義務教育の勉強は満遍なくやらせようと思っている」そうだ。

 現実的には、どこの大学に入るかよりも、学生時代に何をどう学んだのかが問われている現代社会。中高一貫校から難関大学に受かっても、未来の保証はあってないようなもの。親にとっては、わが子の教育問題にますます悩まされる時代を迎えているのかもしれない。



鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー。我が子と二人三脚で中学受験に挑んだ実体験をもとにした『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などで知られ、長年、中学受験の取材し続けている。その他、子育て、夫婦関係、介護など、特に女性を悩ませる問題について執筆活動を展開。

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湘南オバちゃんクラブ

最終更新:2024/01/13 16:00
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