サイゾーウーマンコラム“中学受験”に見る親と子の姿勉強嫌いな“弟”に悩む中学受験母 コラム “中学受験”に見る親と子の姿 中学受験生の母を悩ます「勉強嫌いな弟」、姉は医学部に強い私立に合格したのに! 2023/11/25 16:00 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) コラム “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。 写真ACより 先月26日に東京都教育委員会が発表した「公立学校統計調査報告書」に関する報道をご覧になった人はいるだろうか。それによると、東京23区では24%が私立中に進学したことが判明。自治体別の私立中の進学率トップ3は、1位が文京区で49.50%、2位が中央区で43.14%、3位が港区で42.47%という結果が出ている。この3区は特に所得が高い地域といわれているが、文京区に至っては、クラスメートのほぼ半数は公立中には行かないというわけだ。 この3区の中の文教エリアに居を構える雅子さん(仮名)は浮かない顔をしていた。 「この地域に住んでいる以上、『中学受験をしなければ人にあらず!』なんですよ。少なくとも、私の周りではそうです」 雅子さんは勤務医の夫、私立中学2年生の長女、公立小学校5年生の長男、さらに、もう一人、就学前の子を持つ専業主婦である。 「夫の家は代々医者の家系でして、実家の医院は現在、義姉夫婦が継いでいます。夫は子どもたちに『医者になれ』と言ったことはないのですが、親戚中、石を投げたら医者という環境なので、サラリーマン家庭の出である私はいつも無言の圧を感じてしまいます……」 ご近所でも、なぜか雅子さんが医者一族に嫁いできた人ということは知られているようで、面と向かって「お子さんたちは医学部決定ね」と言われることも少なくはないらしい。 「長女は幼少時からお教室に通い、いわゆるお受験をしたんですが、残念ながら、志望校にはご縁がなくて、公立小学校に進みました。でもそのうちに、本人が『パパみたいな医者になりたい!』って言い出して、そのためには私立中高一貫校に行くほうがいいという情報をどこからか聞きつけてきまして、小4から本格的に受験塾に通うようになりました」 雅子さんによると、クラスメートの8割以上が受験する地域なので、子どもたちの会話も自然と受験関連のことになるのだという。子どもたちの間ではさまざまな受験情報が流布されているというだけに、「医学部に行く最短ルートは?」という話題が出てもおかしくはない。 「長女は私が何も言わなくても、自分で計画を立てて、やるべきことをやる子でして、すんなりと医学部に強いといわれる学校に合格しました。根が真面目なせいか、おかげさまで成績も良く、もし、このままの成績をキープできるのならば、医学部への推薦もあり得るかもしれないです」 次のページ 中学受験生の息子は「娘と違って勉強をまったくしない」「塾も下位クラス」 123次のページ 関連記事 「ボリュゾ」の中学受験はなぜ大変? 「絶望しかなかった」平均偏差値49の母の実体験中学受験、国語の長文問題を投げ出す「精神年齢が低い息子」が覚醒したワケ中学受験、小6秋の模試で「合格率20%以下」――「親が第1志望校を変更」の過去を引きずる28歳女性中学受験、小6秋なのに志望校が決まらない! 焦った母が取った行動と待ち受けた“サプライズ”中学受験の大手塾に憤慨! 算数の成績下落、「先生が無理」という娘の主張はわがままなのか?