さざ波アワード2023

『笑点』降板から2年――ナイツのラジオでわかった、林家三平が一生面白くなれない理由

2023/12/30 18:00
佃野デボラ(ライター)

第1位 ねづっちに謎かけネタをおねだり……林家三平がなぜ一生面白くなれないのか。その理由をラジオ番組で元気いっぱいに披露

林家三平の画像
林家三平はいま――(C)サイゾーウーマン

 あまりの面白スキルのなさに『笑点』(日本テレビ系)を自主降板してから2年。林家三平が2つのラジオ番組に出演し、「なぜこの人はこんなにも面白くないのか」という問いへの、明確な答え合わせを自ら行った。

 三平はまず、5月19日にフリーアナウンサー・野村邦丸がパーソナリティーを務める『くにまる食堂』(文化放送)にゲスト出演。「正直『早いとこ辞めちゃったほうがいいんじゃねえか』と」「もっと言っちゃえば『笑点』にいなくてもよかったわけですよ」といきなりドスで三平の鳩尾を刺してきた邦丸。しかし三平なので、刺されていることにすら気づかない。

 続いて、邦丸から「今後『笑点』に前半の演芸コーナーへのゲスト落語家として出演して『リベンジ』する気はないのか」、要するに「悔しくないのか」との質問が飛ぶ。すると三平は、「テレビのバラエティでもっと人生経験を積んで……」「噺家じゃないタレントさんと混じったりするのが一番の勉強です」と、要領を得ずフニャフニャした言い回しで逃げていた。

 続いて5月23日には『ナイツ ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)にゲスト出演した三平。パーソナリティのナイツ・塙宣之と土屋伸之、そして同じくゲストのカンニング竹山からの「イジり」のおかげでなんとか成立していたが、ここでも丸裸の状態で「面白くなさ」を全開にしていた。

 たまたま4日前の『くにまる食堂』を生放送で聞いていた竹山は、邦丸が「(ほかの出演者たちとの)“絡み”の修行中なんだ?」と聞くと、三平が「そうですね。大根と一緒で『からみ』ですよ」とクソ寒いダジャレで返したことを振り返った。竹山が「『そういうのやってっからダメなんだよ』って本気で怒られてましたからね」と報告すると、塙が「みんなが思い浮かべる一番最初のダジャレを言うのが三平師匠」とかぶせて笑いに変えていた。


 そこから三平は、これまでのダジャレの「ドすべり」体験談を恥ずかしげもなく披露。さらには、謎かけのネタに困ると、ねづっちに電話をかけておねだりしていることを、悪びれもせず告白した。土屋から「噺家としてプライドないんですか?」と聞かれた三平は、「だって何も浮かばない時ってあるじゃん」と開き直り。塙が、「(三平のネタおねだりを)本当に勘弁してほしい」と、ねづっちが「マジな感じのトーン」でツイートしていたことを暴露して笑いを誘った。三平によると、近頃ねづっちは三平からのLINEを既読無視しているのだという。

 さらに、謎かけをアドリブでできないのかと、塙に振られた三平は、「『ラジオショー』と掛けまして、司会の皆さんと解く。その心は、面倒見がいいでしょう」と「ドヤ声」で言ってみせるも、一同はポカン。しばらく間があった後、土屋に「(『めんどう』を立たせたいのなら)『剣道』と掛けないと」と指摘されて、「ああ、そっか!」と状況を理解するという体たらくであった。

 ゲストコーナーの終わり間際に、塙から「毎日何を考えてるんですか?」と問われた三平。「新幹線の中で何食べようかなーとか、お弁当何買おうかなーとか」とバカ丸出しで答え、爆笑をさらっていた。やはり、三平という「素材」そのままでは成立しない。一流の料理人(芸人)の手による「振り」と「イジり」の調理を加えないと食べられたもんじゃないと、あらためて実感したのだった。

 ――とまあ、こういうしょーもなニュースを挙げられるぐらいなので、今年も悪くない1年……だったのではないでしょうか。そう思うことにしましょう。皆さまよいお年をお迎えください。




佃野デボラ(ライター)

佃野デボラ(ライター)

ライター。くだらないこと、バカバカしい事象とがっぷり四つに組み、掘り下げ、雑誌やWebに執筆。生涯帰宅部。

最終更新:2023/12/30 18:00
今年も1年、森脇健児が元気で良かったです