サイゾーウーマンカルチャーインタビューエリート塾に入れたがる親への違和感 カルチャー インタビュー 【中学受験】御三家を狙うわけでもないのに……エリート塾に入れたがる親への違和感 2023/11/23 16:00 杉浦由美子(ノンフィクションライター) 中学受験 サピックスの入室テストは「8割、9割は合格」の実情 ――Twitter文学で描かれる「タワマンに住んで子どもをサピックスに通わせる」というライフスタイルに本気で憧れる層がいるんですね。ただ、ママがハイブランドのバッグを持って優越感を持っても誰も犠牲になりませんが、そういった感覚でエリート塾に入れられると、場合によっては子どもが気の毒ですね。 杉浦 サピックスの入室テストは難易度が高く、学力が高くないと受からないといううわさも聞きますが、拙著『中学受験 やってはいけない塾選び』の中で、サピックスの広野雅明教育事業本部長が「8割、9割は合格します」とコメントしてくださっています。つまり、公立小学校の授業についていっている子どもなら、確実にサピックスの入室テストに受かるんですよ。1回目は要領がわからなくて不合格なこともありますが、たいていは2回目は合格をします。 だけど、そういう情報はSNSなどではあまり拡散されません。なぜなら、親御さんたちが「サピックスの入室テストに受かるのはすごい」と信じたいからでしょう。そして、そういう層がいまの中学受験の過熱を支えていると思います。 ――子どもの塾選びに親のブランド志向が出てしまうのは、やはり違和感があると感じてしまいます。 杉浦 サピックスもグノーブルも優秀なテキストを使用し、講師の質も高く、素晴らしい塾です。ただ、その内容を評価するのではなく、ブランドステイタスだけで塾を選ぶのには違和感があります。小学生が3年間通う場所なんですから、やはりちゃんと中身を見て「うちの子に合うか」という基準で塾選びをしていただきたいなあと願っています。 【著書紹介】 『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社) 中学受験は、子どもと家庭に合う「塾選び」が成功の鍵を握る―― 首都圏・関西の大手から中小塾、話題の単科塾、 個別指導塾まで最新情報を徹底取材。先輩パパ・ ママの塾選び失敗談から、四大塾(サピックス、日能研、 四谷大塚、早稲田アカデミー)の実際、 難関校に強い塾などを解説する最強の塾ガイド。 中学受験、塾費用は「月20~30万円」が平均の時代に? 共働きママが「狂気を持ったATM」と化すのはなぜか 中学受検熱が高まる中、青春出版社が「最強の塾ガイド」と銘打って発売した『中学受験 やってはいけない塾選び』の初動が好調だという。ノンフィクションライターの杉浦由美...サイゾーウーマン2022.11.05 前のページ123 杉浦由美子(ノンフィクションライター) ノンフィクションライター。「中学受験ナビ」「ダイヤモンド教育ラボ」「マネーポスト」で教育をテーマに連載中のベテラン記者。『女子校力』(PHP新書)、『ママの世界はいつも戦争』(ベスト新書)など著書多数。実家は二代にわたって塾を経営。 最終更新:2023/11/23 16:00 サピックスの入室テストって全然受からない試験だと思ってたよ…… 関連記事 中学受験、塾費用は「月20~30万円」が平均の時代に? 共働きママが「狂気を持ったATM」と化すのはなぜか「ボリュゾ」の中学受験はなぜ大変? 「絶望しかなかった」平均偏差値49の母の実体験中学受験、国語の長文問題を投げ出す「精神年齢が低い息子」が覚醒したワケ中学受験、小6秋の模試で「合格率20%以下」――「親が第1志望校を変更」の過去を引きずる28歳女性中学受験、小6秋なのに志望校が決まらない! 焦った母が取った行動と待ち受けた“サプライズ” 次の記事 加湿器、家電のプロが選ぶ8台 >