フジの看板枠「月9」を追う

『ONE DAY』初回は2020年代ワースト2位、フジ月9ドラマ視聴率ランキング【2023年10月最新】

2023/10/29 15:00
サイゾーウーマン編集部
二宮和也の画像
まさかの月9最低更新は……ないよね?(写真:サイゾーウーマン)

 嵐・二宮和也、中谷美紀、大沢たかおがトリプル主演を務める“月9”ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系/以下、『ONE DAY』)の第3話が10月23日に放送され、世帯平均視聴率5.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。主演の3人はもちろん、脇役にも江口洋介、佐藤浩市、中川大志といった豪華なキャストがそろっているにもかかわらず、初回7.8%、第2話5.5%、そして第3話でさらに微減と、視聴率は右肩下がりだ。

 同作は、1日の出来事を1クールかけて描く“謎と愛と奇跡の物語”。神奈川県・横浜で発生した銃殺事件の容疑者となった記憶喪失の男・勝呂寺誠司(二宮)、この事件を追う地方テレビ局の報道キャスター・倉内桔梗(中谷)、店の命ともいえるデミグラスソースを失った老舗レストランのシェフ・立葵時生(大沢)の3つの物語が同時進行し、次第に交錯していく構成になっている。

2020年代の月9ドラマ、2ケタ超えのヒット作も多数

 “月9”枠といえば、これまで『ひとつ屋根の下』(1993年4月期放送の第1シリーズは最高視聴率37.8%)、『HERO』(2001年1月期放送の第1シリーズは最高視聴率36.8%)といった大ヒットドラマを生み出してきた、フジテレビの看板ドラマ放送枠でもある。

 20年代に入ってからは、動画配信サービスなどの台頭で世間のテレビ離れが進み、“月9”もかつてのように視聴率20〜30%超えを記録することはなくなっているものの、それでも2ケタ台をキープする作品も多かった。

 例えば20年1月期『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜 Season4』(沢村一樹主演)、同11月~翌年3月放送の『監察医 朝顔 第2シリーズ』(上野樹里主演)、21年4月期『イチケイのカラス』(竹野内豊主演)、同6月~9月放送の『ナイト・ドクター』(波瑠主演)、21年10月期『ラジエーションハウスII〜放射線科の診断レポート〜』(窪田正孝主演)、22年1月期『ミステリと言う勿れ』(菅田将暉主演)は、すべて全話平均視聴率10%以上だった。


 うち、『イチケイのカラス』『ラジエーションハウスII〜放射線科の診断レポート〜』『ミステリと言う勿れ』は、ドラマ版の人気にあやかって映画化された。特に『ミステリと言う勿れ』の劇場版は大ヒット中で、9月15日の公開から42日間で観客動員300万人、興行収入41.2億円を突破している。

『教場0』『真夏のシンデレラ』2023年に入ると、月9ドラマに陰りが

 全盛期ほどの勢いはないものの、一定の視聴率を保ってきた月9枠。しかし最近、徐々に全話平均視聴率10%を下回る作品が目立つように。

 今年の4月期に放送された『風間公親-教場0-』は、20年・21年にそれぞれ前後編で放送されたスペシャルドラマの視聴率が13〜15%台と、申し分ない数字だったものの、連ドラ版の全話平均視聴率はまさかの2ケタ割れ(9.8%)。人気シリーズ初の連ドラが不発、しかも主演の木村拓哉にとって、初の全話平均1ケタ台という不名誉な記録を作ってしまったとあって、フジも相当意気消沈したことだろう。

 さらに、同7月期に放送された『真夏のシンデレラ』に至っては、“月9史上最低”の全話平均視聴率(5.6%)を記録した。加えて、これまで月9ドラマの初回視聴率は常に2ケタ台をキープしてきたが、同作では6.9%まで落ち込んでいる。後続の『ONE DAY』も、この数字に引っ張られてしまうのではという懸念があったが、まさにそうした状況に陥っているようだ。

 このままでは『真夏のシンデレラ』以上の大爆死になりかねないという声もある『ONE DAY』。ドラマの視聴率は基本的に、初回または最終回が最高視聴率となることが多く、平均視聴率がそれを上回ることはほぼないため、かなり厳しい戦いにはなるが、3つの物語が交差していくにつれ話題になっていくはず。ここからの巻き返しに期待したい。