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【薬剤師監修】それって逆流性食道炎かも? 放置するとキケンな胸やけ・げっぷ・長引く咳

2023/02/28 15:15
相田彩

4. 逆流性食道炎の治療

 軽い逆流性食道炎の場合は、生活習慣の改善などで自然と軽快することもあります。しかし、場合によっては治療が必要になるケースも出てきます。逆流性食道炎の診断には、問診で症状の聴取を行うこともありますが、内視鏡で検査を行う場合もあります。

4‐1. 生活習慣の改善

 タバコ、アルコール、コーヒー、チョコレート、炭酸飲料、刺激物などの摂りすぎには注意。高脂肪食の摂りすぎは控えて、肥満にならないようにも気をつけてください。

 早食い、食べすぎなどの食生活をあらため、食後はすぐに横にならない、寝る前の食事は避けることも重要です。また、仕事や畑仕事などの際、長時間の前かがみの姿勢はやめましょう。

4‐2. 薬物治療

 逆流性食道炎の治療として、胃酸を抑える薬剤を使用することがあります。H2受容体拮抗薬は、胃酸の分泌を抑制することで胃酸から胃を守り、痛みや胸やけなどの症状を緩和させる薬剤です。さらに強力に胃酸を抑制させる場合、プロトンポンプ阻害薬(PPI)と呼ばれる薬剤を用いることも。

 また、胃の動きを改善させる薬や、胃腸の動きを良くする薬、胃の粘膜を保護する薬、胃酸を中和させる薬などを使う場合もあります。


4‐3. 漢方薬

 胃酸が逆流しやすいとお悩みの方は、漢方薬の活用もおすすめです。胃酸の逆流による不調の改善には、「胃腸の消化機能を回復させる」「自律神経のバランスを整えて、ストレスが原因の胃酸分泌を軽減する」「体を温めて、胃の働きを改善する」といった働きを持つ生薬を含む漢方薬を選びます。

 消化吸収を助けて酸素や栄養を全身に届けたり、水分バランスを整えて老廃物を排出したりする作用で、心と体全体を元気にしていきます。

 漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく、根本からの体質改善が目指せるので、不調を治すだけでなく、不調のない体に近づけることもできます。