中学受験、娘の不合格は「何もかも親のせい」――母が懺悔する“本命校前夜”の出来事とは?
筆者が佳代子さんに励ましのメールを送ったところ、先日、愛梨ちゃんの受験の後日談が送られてきた。愛梨ちゃんの中学受験は、
2月1日 A女子 不合格
2月2日 B学園 不合格
2月3日 C女子 合格
2月4日 A女子 合格
と、2勝2敗という結果で終了したそうだ。
佳代子さんは「A女子と、A女子よりも偏差値が高いC女子のどちらに行くべきか?」と迷ったという。
「主人が『(A女子に比べたら)C女子のほうが(偏差値が)マシなんだろ?』と言うんですよ。協力はしないくせに偏差値表だけはよく見てるんですよね……」
しかし、A女子かC女子かを決めなければならなかった日の朝、朝食の席で、愛梨ちゃんが両親に向かってこう言ったそうだ。
「パパ、ママ、不本意な結果に終わってごめんなさい。パパは気に入らないかもしれないけど、私はA女子に行きたいの。A女子の人たちがみんな優しかったから。これから、私はA女子で頑張るから、離婚しないでほしい」
佳代子さんいわく、「主人は愛梨の言葉に驚いてしまったよう」とのこと。
「慌てて『パパとママは仲良し』『愛梨はよく頑張った!』と言いながら、『パパもA女子がいいと思う!』って(笑)。自分勝手な発言で娘を傷つけてしまったことに、ようやく気がついたみたいでした。家族に嫌われたくないと思ったのか、私にも『申し訳なかった』と謝ってきましたね。ともあれ、私も親として、本当に未熟でした」
それから、佳代子さんの夫はA女子の情報収集に励み、あっという間に「A女子ファン」となったそうだ。
「私たち夫婦は、お互いに腹を割って話し合うことを避けてきたような気がするんです。不満があっても、お互い言わずに溜め込んでいて、それが愛梨の不合格で、爆発したみたいな感じでした。愛梨の言葉で、私たちは本当に反省しました。これからは、愛梨がしてくれたように、家族みんな、いろんなことを言葉にして伝えていこうって決めたんです」
2月1日からの1週間は、佳代子さんにとって怒涛の日々だったというが、やはり「人間万事塞翁が馬」なのかもしれない。
佳代子さん一家は今、A女子の制服が届く日を心待ちにしているそうだ。