サイゾーウーマンコラム“中学受験”に見る親と子の姿最終模試の結果で第1志望を捨てた親子 コラム “中学受験”に見る親と子の姿 中学受験、「最後の合不合」がトレンド入り――最終模試の結果で“第1志望を捨てた”母が「たられば」に苦しむワケ 2022/12/24 16:00 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) コラム “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。 写真ACより 中学受験もいよいよ本番間近。年明けには全国各地で入試が始まる。先日Twitterでは「最後の合不合(※)」というワードがトレンド入りしていたが、親たちは、最後の模試の結果を見ながら、最終志望校の選択に頭を悩ませている頃であろう。 ※大手中学受験塾・四谷大塚が主催する公開模試「合不合判定テスト」のこと。 最終模試は、入試本番を前に今現在の実力を推し量ることができる重要なもの。しかし、結果が良かった場合は本試験への猛烈な追い風になる一方、結果が悪い場合は、志望校の想定を根底から揺るがしかねないので、注意が必要だ。 友梨奈さん(仮名)は今も時々、現在中学2年生の息子・圭斗君(仮名)の最終模試に思いを巡らせることがあるという。 「圭斗が小学校低学年だった頃に戻りたいです。私がダメだったばかりに、こんなことになったのかな……って、今も後悔しかないですね。特に最終模試のことをアレコレ考えてしまいます」 圭斗君は大のサッカー好きで、幼い頃から地元の少年サッカークラブに参加。圭斗君なりに頑張って練習していたそうだ。 一方、圭斗君の地元は中学受験熱が高く、低学年から通塾する子も珍しくはないという。その波に飲まれるかのごとく、友梨奈さんは圭斗君が小4になったタイミングで受験塾に行かせるようにしたという。 「当時は、サッカークラブと塾との両立に特に問題はなく、圭斗も勉強を楽しんでいたと思います。ただ、学年が上がるにつれ、だんだんと両立が難しくなってきてしまい、私が半ば強引にサッカーを辞めさせたという経緯があるんです」 中学受験塾のカリキュラムは小5以降、週3日となるのが一般的で、土日も模試やテストに追われることが普通だ。スポーツや習い事と両立する子もいるが、相当ハードな日々を送ることになる。 「圭斗は、『中学に入ったら、思いきりサッカーをするから、今は受験を頑張る』と言っていたんですが、本心ではなかったようです」 圭斗君が目指したのは、サッカー強豪校のY学園。勉強に精を出した結果、模試でも射程圏内となり、このまま努力すれば合格の可能性は高い……というレベルに達したそうだ。 ところが、小6の12月の最終模試で思わぬ事態に遭遇する。Y学園の合格確率は「20%以下」「志望校を再考せよ」という結果だったのだ。 今まで、取ったこともないような低い偏差値を目の当たりにした圭斗君は、激しく落胆し、「もう塾に行かない」とゴネていたという。 次のページ 中学受験、第1志望校は「絶対に無理」――小6の年明けに「第2志望に的を絞る」作戦に変更したけれど 123次のページ 楽天 中学受験2023時事ニュース 完全版 関連記事 娘の中学受験で「入学金振り込みミス」――デジタルに不慣れな母の“血の気が引いた”瞬間中学受験塾の室長が明かす、「モンスタークレーマー」の実態……「医学部狙い」の父親が暴走コロナ禍で借金まみれに……母から「中学受験断念」を告げられた小6娘のその後中学受験、塾費用は「月20~30万円」が平均の時代に? 共働きママが「狂気を持ったATM」と化すのはなぜか勉強嫌いなのに中学受験、志望校には偏差値10足りず……やる気のない娘を変えた「母の戦略」