暗黙のママ友ルールウォッチング

PTA副会長が暴走! 保護者の負担そっちのけで「行事復活」に大張り切り、ワーママはうんざり顔

2023/01/15 16:00
池守りぜね(ライター)

「子どもたちがかわいそう」PTA副会長は、中止になった行事の復活を熱望するが

 コロナ禍でラジオ体操や夏祭り、交通安全教室など、学校行事が中止になったケースも多い。しかし、奈菜さんは「小規模での復活」を熱望したそうだ。

「奈菜さんは、『行事がなくなって、子どもたちがかわいそう』と繰り返すんです。確かに運動会や学習発表会などは、学年ごとの入れ替え制にし、入口で来場者全員に検温を実施するなどの手間がありましたが、開催して良かったって思うんです。でも、門松やしめ縄といった正月の飾りを小学校の校庭でお焚き上げする『どんど焼き』や、児童たちが集まって風船を空に放つ『風船飛ばし』は、別に復活しなくてもいいんじゃないかなって。ママさんたちのボランティアも必要ですし、準備も大変なので、ほかの役員さんも本音では復活に後ろ向きみたいなんですが、 奈菜さんに押し切られてしまいそう 」

 奈菜さんは、「来年も引き続き役員をやりたい」と意欲を見せているという。

「基本的には、うちの学校のPTA委員は1年任期ではなく、引き継ぎの期間も入れて2年やるのが通例。奈菜さんは、娘さんが6年生になるので、会長をやりたいのではないかと思います。私のほうは、もう今年で辞めたいですが。多分、来年の役員さんへの引き継ぎがあるので、『一緒にやろう』って誘われそうで頭が痛いです。また周囲を巻き込む“暴走”を起こすのも怖いですね」

 PTA活動は「積極的にやりたいという人のほうが圧倒的に少数派ではないか」と泉美さんは言う。


「だからこそ『できるだけみんなの負担を減らす』方針を取るのが、暗黙のルールだと思っていたのですが、奈菜さんには通用しませんでした」

政治学者、PTA会長になる