サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」「ポジティブ思考」アンミカの暗さ コラム 仁科友里「女のための有名人深読み週報」 アンミカの“ポジティブ思考”に見る暗さ――「人生はブーメラン」発言が危険なワケ 2022/12/15 21:00 仁科友里(ライター) 女のための有名人深読み週報 私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。 写真ACより <今回の有名人> 「因果応報ですね」アンミカ 『EXITV』(12月8日、フジテレビ系) 物事を肯定的、積極的に捉えることを意味する言葉「ポジティブ」。自己啓発業界を中心に、ポジティブであることは、まるで一点の曇りもない 青空のようにさわやかで、 「いいこと」とされ、ポジティブな思考回路を手に入れるためのハウツーが世の中にはあふれている。 確かにやりたいことがあるのに、「自分には無理だ」と決めつけて挑戦しないより、「失敗してもいいから、思い切ってやってみよう」とトライするほうがいいとは思う。しかし、そもそもポジティブとは何なのか、前向きに挑戦する姿勢 さえ持っていれば、ポジティブといえるのか。 私自身、どこか釈然としない思いを長年抱えてきたが、12月8日放送『EXITV』(フジテレビ系)に出演したアンミカを見て、一つの答えが出た気がした。結論からいうと、ポジティブとは「不安もしくは恐れの回避行動」のように思えるのだ。 極貧家庭でたくさんのきょうだいに囲まれて育ったアンミカ。ケガをしても病院にかかるお金がなかったので、お母さんが1人で医師に 治療法を聞きに行った(お母さんは、直接診察してもらわなければ、お金はかからないと考えたそうだ)とか、夜明け前に起きて、親子で市場まで歩き、傷んだ果物をもらっていたなどの“極貧”エピソードを、いろいろなバラエテイ番組で明かしている。 高校卒業後、モデルを目指して単身パリに移住した彼女は、20歳の時に『パリ・コレクション』に出演を果たすなど成功を収め、 タレントへと転身。現在はアメリカ人の制作会社社長と結婚している。極貧生活から抜け出し、セレブへと転身したといってもいいだろう。 そんな彼女を支えてきたのが、ポジティブ思考。アンミカがプロデュースした『ポジティブ手帳2023』(小学館)には、「365日、アンミカ思考で幸運体質!」「浄化言葉で強運を引き寄せ幸せ脳に」という帯がついている。 手帳の中にはアンミカが厳選したポジティブワードが毎週掲載されており、アンミカは『EXITV』で、「音読していただくと、目から口からそれを聞いて、五感でポジティブ脳を育むことができます」「(手帳の)左下のほうには、2週間に1回新月満月のお祈りとテーマが書かれているので。『空を見上げて、牡羊座の満月だったら、自分が短気にならず、すごい行動力を持って前向きに生きよう』とか」と手帳をPR。その日、良かった出来事を書く「Today’s Good & Happy」欄が設けられているなど、ポジティブ脳になるためのいろいろなアプローチが書かれているそうだ。 次のページ アンミカの「人生はブーメラン」説は、社会的弱者を追い詰めかねない 123次のページ 楽天 ポジティブ手帳2023 関連記事 杉田水脈氏は“オジサン”の操り人形である――「ともかく目立つ」「弱い者を叩く」政治家としての処世術が限界のワケ石橋貴明の「若い子とがんがんセックス」宣言に“老い”を指摘――「新しい大御所」研ナオコの秀逸さ『ワイドナショー』武田鉄矢を「老害」から「いじってもいい人」に味変させた野沢直子のスゴ技『笑点』を自主降板――二代目・林家三平は、「面白くないまま」大喜利を続ければよかったと思うワケ西野亮廣がエンタメ界で売れるワケ――後輩芸人に小バカにされる隙と「現実的すぎない」トーク