コラム
私は元闇金おばさん
「強盗でもなんでもやって金を作る」倒産寸前の社長が、ついに一線を越えた! 闇金社員が見た衝撃の結末
2022/12/03 16:00
自宅の状況を確認にいくと、マスコミ対策のためか規制線が張られており、警察の手によって封印されている状況だと、現場に出向いた部長から電話連絡が入りました。債権者らしき人物の姿もあるようですが、多くのマスコミと黄色いテープが張られた玄関を見て、一様に引き返していくそうです。その報告を聞いた藤原さんが、腕を組んで思案する社長に言いました。
「破りますか? どうなりますかね?」
「バカ。そんなことしたら、すぐパクられるに決まっているだろう。警察が引くのを待って入るしかないな。ほかの債権者も狙ってくるだろうから、封印が解けるまで、午前と午後で状況を確認しに行け」
その数日後、封印が解けないうちに弁護士介入となり、なぜだかすぐに決済されました。なんでも過去に別件であたったことがある弁護士だそうで、おたくだけは面倒だからと、債務整理における債権者平等の原則を破ってまで優先的に決済することを決めたそうです。
「債権者名簿にウチの名前を見つけて、初めは断るつもりでいたらしいんだけど、先に片付けるならという条件で受けたらしい。おたくとは二度と関わりたくないからと、弁護士に言われたよ」
北西社長に下された判決は、懲役7年。一銭も奪えずに終わった事件とはいえ、その代償は重く、追い詰められて暴走した北西社長の後悔は計り知れません。すでに社会復帰されていることと思いますが、その後の暮らしぶりを知る由はなく、安寧に過ごされていることを願うばかりです。
※本記事は、事実を元に再構成しています
(著=るり子、監修=伊東ゆう)
最終更新:2022/12/03 16:00