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ジャニーズ音楽の中では意欲作かつ問題作! Travis Japan「JUST DANCE!」のすがすがしさを解説

2022/11/09 13:00
スージー鈴木

 そもそも、平成のJ-POPは尺が長く、構成が複雑な音楽だった。CDという長尺収録が可能なメディアの登場に加え、カラオケの流行も相まって、長尺の中にさまざまなメロディが詰め込まれるジャンルだった。

 例えば、私が好んで歌った米米CLUB「浪漫飛行」(1990年)。「♪君と出逢ってから~」がサビ、「♪忘れないで~」が大サビ、「♪時が流れて~」がラスサビ(?)と、サビだらけ満腹感。歌い終わったときの快感たるや。

 そう――「サビ」。サブスク化による日本の音楽シーン最大の変化は、歌っていて「さぁ来たぞ!」と感じる箇所=サビの消失ではないかと予測するのだ。

 ここでTravis Japan「JUST DANCE!」を再度聴いてほしい。サビ、つまり「浪漫飛行」における「♪君と出逢ってから~」のようなパートがないことに気付くだろう。言い換えれば――「サビしかない」。

 あえて言えば「♪(Just Dance)Any way you want~」からのパートが「サビ的」だが、メロディアスなパートはここだけで、かつ、その中も「♪Any way you want~」の音列(♪シ・ラ・ソ#・ファ#・ソ#)が何度も続くので、つまりは「さぁ来たぞ!」感に乏しい。

 そもそもサビとは、その響きの通り、かなり邦楽的な概念で、J-POPには必須のものだった。そのサビがないことが、「JUST DANCE!」について、一部のリスナーを戸惑わせている原因の本質だと考えるのである。

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