映画業界のヤバさが露呈

Netflix映画『ブロンド』、マリリン・モンローの中絶シーンや胎児の描写が「最悪」と大炎上! 視聴者を“洗脳”と抗議活動も

2022/10/04 21:00
堀川樹里(ライター)

Netflix映画『ブロンド』、「中絶や胎児に関する描写が特に最悪だ」

 米エンターテインメント業界誌「バラエティ」のレビューでは、妊娠中絶に関する専門家の「とんでもなくプロ・ライフ(※)で、セクシスティック(女性差別主義的)、搾取的な作品。絶対にお勧めしない。見ないでください。中絶に関するシーンが特に最悪だが、映画のすべてが徹頭徹尾ひどい」という痛烈な批判コメントを紹介した。

※プロ・ライフ(Pro=賛成、Life=命)。胎児の生命(ライフ)の尊重を主張し、中絶に反対する考え

 ネット上にも、劇中における胎児の描写や、胎児目線でも描かれる中絶シーン、望んでいない中絶をさせられたマリリンが、トラウマにさいなまれ幻聴に苦しむシーンを問題視する声が続出。 視聴者を「中絶は悪」「中絶とは胎児を傷つけ殺すこと」と洗脳するとして、個人の権利に基づいた人工妊娠中絶手術を支援するプランド・ペアレントフッドという団体も、「中絶や胎児に関する描写がプロ・ライフすぎる」とNetflixに抗議声明を出す騒ぎにまで発展している。

 映画を楽しみにしていたマリリンのファンは、「これほどまでに敬意のかけらのない、不快で、捏造された自伝映画は見たことがない」と大激怒。「マリリンは弱い女性ではなかった。公民権や女性の権利、男女同一賃金に声を上げており、軽く扱われたり性的対象として見られることを嫌がっていた人だった」とツイートし、「この映画を見て、これがマリリンなのだと思ってしまう人がいることは、故人である彼女への侮辱」だと批判している。

アメリカ合衆国における妊娠中絶の法と政治