【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

エリザベス女王の棺の中は……ヨーロッパ王族に流行した、国王の特殊な埋葬方式とは?

2022/10/08 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

亡くなって10日以上も保管されたご遺体の状態は?

――喪服やアクセサリーのTPOもずいぶんと変化するものなのですね。しかし、今回のエリザベス女王の葬儀で、一番疑問に感じてしまったことは、亡くなってから10日以上も保管されていたご遺体は大丈夫だったのかな……ということなんです。ヨーロッパでも寒冷地にあたるイギリスですが、今年は暑さが厳しく、40度を超えたともいいますし。

堀江 女王の家系はウィンザー家と呼ばれ、ヨーロッパの中でもとりわけ秘密主義の傾向が強い家風で知られています。私もすこし気になって調べましたが、ご遺体のエンバーミング(防腐処置)については当然ながら、何の情報も出されていないですね。

 女王の棺は、亡くなったバルモラル城からロンドンのウェストミンスター寺院へ向かい、しばし安置された後、19日に同地で天皇皇后両陛下もご参列になった国葬が営まれました。最後は埋葬地にあたる礼拝堂があるウィンザー城まで運ばれた……ということで、日数も移動距離もあり、いくら密封してあるとはいえ、外気の影響を受けると考えて当然です。

――イギリスの世論でも疑問が見られました。実はあの棺の中はカラッポで、実はほかの場所にご遺体は安置、保管されているのでは、という声もありました。

眠れなくなるほど怖い世界史 / 堀江 宏樹 著