サイゾーウーマンコラム“中学受験”に見る親と子の姿中学受験、親の戦略が失敗 コラム “中学受験”に見る親と子の姿 中学受験「算数1科目入試」の戦略に失敗――「倍率10倍超え」入試に賭けた母が今思うこと 2022/08/27 16:00 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) “中学受験”に見る親と子の姿 算数1科目受験は、決して「お気軽簡単な入試」ではない 算数1科目入試は、「算数だけに集中できる」ので受験生人気が高いのだが、ここに思わぬ落とし穴が隠れている。算数のみで受験可能ということは、裏返せば、算数が得意な子だけがこぞって参戦しているわけだ。しかも、算数1科目入試の募集定員は、もともと極端に少ないのが一般的である。にもかかわらず、志願者数はとんでもなく多く、倍率10倍越えなんて当たり前。例年、25倍を超えてしまう人気校も存在する。 算数1科目入試は、「算数大好き」「算数が大得意」という難関校狙いの受験生にとって、午後入試の「受け皿」になっている側面がある。そういったつわものたちが、まるで「道場破り」のような気持ちで挑戦する入試といえるかもしれない。 そもそも、なぜ算数1科目受験が増えているのかといえば、「算数が得意な子は、入学後の試験において、ほかの教科でも高成績」という実感を持つ学校が多いから。大学の合格実績を気にする中高一貫校は、極論でいえば、算数ができる子こそ待ち望んでいるのだ。 当然、出題レベルは高いので、志願者のレベルも高くなる。決して「お気軽簡単な入試」ではないので、リスクは相当高い入試と言わざるを得ない……それが、算数1科目入試の実態だと思う。 中学受験は親の戦略に左右される面もあるので、リスクがある受験には用意周到に保険をかけておくのが得策である。 靖子さんは、希美さんの受験を振り返って、悲しげな表情でつぶやいた。 「“D学園命”だった娘の受験。すべての入試で不合格という結果を受け、『では、どうすればよかったのだろう?』って、今でも悩んでしまいます。悩んだって、どうにもならないんですけどね……」 結局、希美さんは、2月3日に慌てて出願したK学園に合格して入学したが、今も通学途中に見かけるD学園の制服を正視できないという。第1希望には受からなかったけれど、1日も早く、K学園で熱中できることを見つけてほしいと願わずにはいられない。 中学受験生の母が激怒! 「パパがコロナ」なのに夏期講習を休ませない……塾友の家庭は「非常識」 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子...サイゾーウーマン2022.08.13 コロナ禍の中学受験、「無責任」なパパをホテルに自主隔離したら……息子に思わぬ影響が!“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関...サイゾーウーマン2022.02.13 中学受験ママを悩ませる「3学期は欠席させる?」問題、コロナ禍で変化?“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関...サイゾーウーマン2021.12.26 前のページ123 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー。我が子と二人三脚で中学受験に挑んだ実体験をもとにした『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などで知られ、長年、中学受験の取材し続けている。その他、子育て、夫婦関係、介護など、特に女性を悩ませる問題について執筆活動を展開。 記事一覧 湘南オバちゃんクラブ 最終更新:2022/08/27 16:00 楽天 中高一貫校・高校 大学合格力ランキング 2023年入試版(ダイヤモンド・セレクト 2022年 8月号 [雑誌]) お気軽簡単な中学受験ってのはなかなかないわよね 関連記事 中学受験生の母が激怒! 「パパがコロナ」なのに夏期講習を休ませない……塾友の家庭は「非常識」過酷な中学受験はさせたくない! 教育ママに育てられた母が、娘と挑んだ「新タイプ入試」の結末PTA役員の子は「公立中高一貫校で優遇される」……中学受験の都市伝説を信じた母の回顧「母親が専業主婦」は中学受験に有利!? 息子が塾で“クラス落ち”、仕事を辞めた母の思い中学受験に「繰り上げ合格」した子はその後、落ちこぼれるのか? “補欠野郎”と呼ばれた息子 次の記事 天皇家に伝わるセックス書がトンデモ >