【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

一晩で10人以上と交わり、射精は月に2回まで……天皇家に伝わる非現実的な「セックス書」とは?

2022/08/27 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

『医心方』で説かれる、性的に最高な女性とは?

――どんな女性なんでしょう。すごく気になります。

堀江 まず年齢制限があります。30歳が上限値で、「なるべく年若い女性を選びなさい」だそうで、ベストは「未生乳」……胸も膨らんでいないくらい若いんだけど、肉付きがよい女性。というか、少女ですよね。

――それ、現代日本じゃ犯罪ですよ! うわー本当に気持ち悪い。

堀江 そうなんです(苦笑)。「陰部とワキの下には毛がないのが好ましい。毛があっても、細くて滑らかなのがベスト」との教えも。脱毛の結果とかじゃなくて、自然にそういう状態の女性が喜ばれたようです。ガサガサの陰毛がいっぱい生えている女性はそれだけで「悪女」です。悪女=愛するにふさわしくない女という意味ですが。

 私の台湾人の友人から聞いたのですけど、現代でも中国文化圏では、陰毛が生えていない女性を「白虎(びゃっこ)」と呼び、“名器”の持ち主だと考える習慣が残っているそうです。ちなみに「白虎」と同じ無毛の男性版が「青龍(せいりゅう)」。


――高貴な男性が求めるべき理想の女性像が、陰毛がない少女というのはびっくりしました。

堀江 ほかには「髪の毛は細く、目は細く、黒目と白目がハッキリ区別されているのがよい」。現代日本ではカラコンを入れてまで黒目がちに見せる人がいますが、古代ではNGだったんですね。ほかには「全身の皮膚がなめらかで、滑舌もよく、声がきれいで、肉付きは良いのだけれど、華奢で肥満しにくい体質」などの条件もありますよ。肉感性をも兼ね備えた合法ロリ女性というか……。

 現代日本は、ゲームとかアニメを通じて、全世界に二次元美少女のキャラクターを広めていますけど、その源流がすでに平安時代に確立されていたのかもしれませんね。

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