『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』大卒22歳で芸妓を目指す「泣き虫舞妓物語2022 ~夢と希望と涙の行方~ 後編」

2022/07/19 19:24
石徹白未亜(ライター)

『ザ・ノンフィクション』やる気が出ないという大問題

 一方の寿仁葉は、15歳で花街に飛び込む決断ができたのだが、当初のやる気は1年で底をついてしまっていた。やる気が出ない原因は、寿仁葉自身もわからずじまいのようだった。

 よく、「金で買えないもの」として、健康や愛情などが挙げられる。しかし、10代という、ほっといてもテンションがほとばしるような時期に、「やる気スイッチ」を探すことに数年を費やすことになってしまった寿仁葉を見ると、金で買えないものに「やる気(意欲)」もあるように思う。

 やる気がなければ何もできないし、そして一度失ったやる気を再点火させる、というのは至難の業だろう。「やる気がない」というのは軽く見られがちだが、これは「なんだか今日はやる気が出ない」と「慢性的にやる気がない」が混在していて、それが問題をややこしくしているように思う。前者は単に気分の問題だが、後者は「心が死んでいる」とも言え、結構な危機的状況だ。

 次週の『ザ・ノンフィクション』は「片付けられない部屋 ~ゴミの中に埋もれた思い出~」。親の夢でもあった研究者を目指すため、猛勉強の末に東大に現役合格した少年、みずき。そのころから自分の見た目に違和感を持つようになり……。

石徹白未亜(ライター)

石徹白未亜(ライター)

専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。

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いとしろ堂

最終更新:2022/07/19 19:24
るるぶ 京都を歩こう ’23
新潟では大卒の舞妓さんを雇用してるそうですよ