カルチャー
結婚おめでとうございます!

滝沢カレンの文章は、なぜ読む人の心に響く? プロの校正者が「文章センスはずば抜けている」と評価

2022/07/12 16:35
校正・校閲者A氏

 7月4日に、一般男性との結婚を発表した滝沢カレン。自身のインスタグラムに、「皆様に今までで一番の自分事にはなりますが」という書き出しで結婚報告文をつづった。滝沢のブレークのきっかけになった“独特な言い回し”が散見される文章で、ネット上では「なんて素敵なコメント」と大絶賛を集めた。

 なぜ、一見すると“ヘンテコ”な滝沢の文章は、読む人の心に響くのか――。今回、くだんの結婚報告文を元に、“言葉のプロ”である現役校正・校閲者が、その謎を解き明かす!

滝沢カレンの文章を直すと「らしさ」がわかる

 滝沢さんのヘンテコな日本語がメディアに大きく取り上げられ始めたのは2017年。その後もバラエティ番組や、自身のインスタグラムなどで、カレン語はよどみなく発信され続け、大々的なブームにならなかったことが幸いしたのか、飽きられることなく、5年後の今日では独自の“話芸”として定着しています。

 そんな滝沢さんの「結婚報告文」ですから、水を差すようなコメントが少なく、肯定的な評価の声が大勢を占めるのは、ある意味当然のことといえますが、それでもあまりに多くの絶賛の声が聞かれるので、その理由を探ってみたいと思います。

 今回は、滝沢カレンさんの結婚報告文の冒頭を中心に見ていきましょう。

皆様に今までで一番の自分事にはなりますが、
ご報告です。

私は、現在建築のお仕事をさせていただいてる方と、
この度結婚いたしました(顔文字)

記憶をほとんどその日に置いてくる私ですが、出会ったときの季節、
景色を今でも思い出せます。

それは私の見ている景色をいつもより色とりどりにしてくれる人でした。

私のお仕事、生活、周りの仲間を私と同じくらい大切にしてくれて、
家族のわんこたちを一番に考えて楽しませてくれます。

そんな人に私は人生の冒険相手として
道を彩ってもらいたいなと思いました。

 ネット上では、「滝沢カレンの“らしさ”全開」などと話題を呼びましたが、校正・校閲者の私が、あえて言葉の使い方や文法などを適宜直した文章と比較すると、その“らしさ”がより際立った形で見えてくるのではないでしょうか。

私事で大変恐縮ですが、
皆さまにひとつ大きなご報告があります。

私は、建築関係の仕事に就いている男性と、
この度結婚いたしました。

記憶のほとんどをその日のうちに忘れてしまうような私ですが、
彼と出会った日のことは、
その季節、そのとき二人で見た景色を
今でも鮮明に思い出せます。

彼は、いつも見るありふれた景色を色とりどりに変えてくれる、そんな存在です。

私のお仕事、生活、周りの仲間を私と同じくらいに大切にしてくれて、
何より家族の一員のわんこたちを第一に考え、いつも楽しませてくれるのです。

私はそんな彼に、人生を共に冒険するパートナーとして、
これから歩む道を彩ってほしいなと思いました。

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