サイゾーウーマンコラム神林広恵「女性週刊誌ぶった斬り」「週刊女性」が伝える“男社会”の問題 コラム “噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第600回】 性暴力、女性蔑視発言がなくならない“男社会”の問題を掘り下げ続ける「週刊女性」 2022/05/10 21:00 神林広恵(ライター) 女性週刊誌ぶった斬り! 下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る! 「週刊女性」5月24日号(主婦と生活社) またしても有名芸能人の自殺が。5月3日の俳優・渡辺裕之の縊死だ。しかし今回それを伝えるテレビ情報番組やワイドショーは控えめだった。厚生労働省からも「その内容や報じ方によっては、とりわけ子どもや若者、自殺念慮を抱えている人に強い影響を与えかねません」と注意喚起がされていたし。やっと学んだのか。 第600回(4/28〜5/10発売号より) 1位「ハラスメント告発ムーブメントを生んだ男 俳優 松崎悠希『女優さんでセクハラ・性被害を受けていない人を探すほうが難しい』」(「週刊女性」5月24日号) 2位「“エライ人”の女性蔑視がなくならない深刻理由」(「週刊女性」5月24日号) 3位「『おすぎは死んだわ!』ピーコの幻迷『老老介護の果てに』」(「女性セブン」5月26日号) 映画監督で俳優の榊英雄の性強要、性加害事件をきっかけに映画・ドラマ界で相次いだ被害者女性たちによる性被害、ハラスメントへの告発。中でも「週刊女性」は映画監督・園子温が女性たちに行っていた性強要の告発記事を掲載し、その後もこの問題を積極的に取り上げている。そして今週もまたこの問題を掘り下げているのだが、これまた素晴らしい内容だ。 今回「週女」に登場するのは俳優の松崎悠希。松崎は映画『硫黄島からの手紙』などに出演し、日米で活躍する俳優だが、マスコミがこの問題を報じる以前からSNSでの本映画界の性強要問題を告発してきた人物でもある。その松崎が映画界での性加害の実情、その原因として存在する映画界独自の体質などに言及しているのだが、松崎自身も映画界で活動し、その内情を熟知しているだけに、その言葉の一つひとつに説得力が高い。 タイトルにあるように、性被害を受けていない女優など皆無に近いと指摘する松崎だが、その原因に監督の権限が強いことを挙げている。大きな権限、そしてキャスティング権を持つ監督と、出演を願う俳優は完全に上下関係にあり、逆らうことは許されない。さらに日本ならではの特殊性もあるらしい。 「アメリカでは。先に演技を学び、お芝居ができるようになってから俳優としてのキャリアの階段を上っていきます。しかし、日本はお芝居ができない状態のタレントを出演させている」 そして監督が素人タレントに演技指導と称して、パワハラ、罵倒、暴行、そして児童虐待まで行われているという映画界。しかもそれが美談化され映画界の“当然のこと”として認識されていく。そうした素地のもと、ハラスメント、性加害は脈々と続けられてきた。それは現在でもだ、と松崎は指摘する。 次のページ 性暴力の問題を解決するために必要なこと 1234次のページ Yahoo おすぎとピーコのこの映画を見なきゃダメ 関連記事 小室眞子さん、同じ日に撮影された驚がくの写真! 「女性セブン」「女性自身」“バッシングありき”の印象操作記事自称「神を操る力を持つ」呪術師との関係に見る、市川海老蔵の罪深いオカルト体質園子温、木下ほうか、榊英雄……性加害者への告発が次の告発を呼ぶ“勇気の連鎖”園子温が女優3人に性加害! 日本映画界の「性暴力」告発、マスコミ界や“あらゆる業界”がひとことではないバラバラになった小林麻耶一家と海老蔵家族、スキャンダラスな騒動で一番の心配事