オンナ万引きGメン日誌

「やられた!」目の前で煙のように消えた万引き犯――ベテランGメンが執念の追跡で捕まえた犯人の正体!

2022/05/14 16:00
澄江(保安員)

逃げきれぬと判断した女は、盗品の保管場所へと案内した

 事務所の応接室に到着して、未精算の商品をテーブルに並べてもらったところで、モバイルショップの店長が言いました。

「〇×さん。これ、どうしたの?」
「ごめんなさい……」
「間違えちゃったなら、ちゃんと話したほうがいいよ。会社に報告されるだろうし、きちんとしよう」
「すみません、ごめんなさい。私……」

 逃げきれぬと察した様子で、涙ながらに犯行を認めた女は、朝の犯行も素直に認めてくれました。事務所までの道中に逃走経路を聞けば、同じくバックヤードに入ったと話していたので、道理で見つからないわけだと合点がいった次第です。

 この日の被害は、すべてを合わせて計7点、合計4,000円ほど。

 派遣社員だという女は23歳で、商品を買い取れるだけのお金は持っていると話しています。モール側の店長に状況を説明すると、テナントの従業員であることを考慮されたのか、警察は呼ばずにすませたいと言われました。


 結局、各々の会社に事故報告をあげることを約束して、事態は終結。商品代金の精算のため、午前中に盗んだリップスティックを出すよう求めると、財布も商品もロッカーにあるというのでモバイルショップの店長と3人でテナントのバックヤードまで取りに伺います。

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