『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』「余命」の算出は医師それぞれ?「花子と大助~余命宣告とセンターマイク 夫婦の1400日~」

2022/04/18 18:06
石徹白未亜(ライター)

『ザ・ノンフィクション』一人でトイレ、お風呂に行けるうれしさ

 『ザ・ノンフィクション』では花子の闘病を2年前の20年2月にも前後編の2度で放送している。

 このときは、20年の正月に退院した花子と大助が家で正月恒例の漫才番組を見て、穏やかに笑っているシーンで終わっていた。正直このときの状況では、花子が舞台に復帰するとは想像がつかなかったが、花子はそこから2年で復帰した。前回の放送を見た人ほど、花子の回復ぶりに驚いたと思う。

 21年の年末、一人でトイレやお風呂に行けるようになったことがうれしいと花子は話していた。「一人でトイレやお風呂に行く」ができない状況が続くというのは想像するだけでもつらい。一つひとつできることを取り戻していった花子を尊敬する。

『ザ・ノンフィクション』「余命」の算出は医師それぞれ?

 花子は当初の半年の余命宣告を覆した。『ザ・ノンフィクション』では花子以外にも余命宣告を覆した人の様子が伝えられることがあり、何よりなことだと思う一方で、一体どんなルール、見立ての上で余命の計算がなされているものなのだろうと疑問に思う。業界標準みたいなものはあるのだろうか?

 調べてみたが、余命の算出に明確なルールがあるわけではないようだ。一般的には、同じ治療を行った患者のデータをもとにして説明しているそうだが、データではなく医師の判断に任されていることもあるという。さらには、余命宣告をしない医師もいるようだ。思ったよりも「ゆるく」見え、驚いた。


あわてず、あせらず、あきらめず