芸能
[再掲]ドラマ俳優クロニクル

反町隆史、『相棒』を卒業! ドラマ評論家が読み解く、学園ドラマ『GTO』で不動になった俳優イメージ

2022/03/23 21:30
成馬零一

 元々、反町はジャニーズ事務所に所属して本名の野口隆史で活動していた。1994年に研音に移籍して以降は芸名の反町隆史として活動するようになり、同年に放送されたドラマ『毎度、ゴメンなさぁい』で俳優デビュー。その後は『未成年』(いずれもTBS系)や『竜馬におまかせ!』(日本テレビ系)といったドラマに出演し、97年の『バージンロード』と『ビーチボーイズ』(いずれもフジテレビ系)で主演を務めるようになる。

 当時の反町は、男らしさを全面に打ち出した体育会系の肉体派でありながら、クールで飄々としていて暑苦しさがないという、絶妙なバランスの青年を演じることが多かった。 『GTO』はその集大成で、“俳優・反町隆史”の名を不動のものとしたドラマである。『相棒』の冠城亘に至る俳優・反町のイメージは、鬼塚英吉を演じたことで完成したといっていいだろう。

 『GTO』から23年がたち、当時20代後半の青年だった反町も47歳となり、落ち着いた中年男性を演じるようになった。『相棒』の冠城役はすでに6年目で歴代最長の“相棒”となっているのは、役と本人の相性が良かったのだろう。演じる役は元不良の教師から元キャリア官僚の刑事へと変わったが、鬼塚で確立した「飄々とした軽い佇まいの奥に熱い正義感を抱えている男」というイメージは、今も変わらない。
(成馬零一)

最終更新:2022/03/23 21:30
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