オンナ万引きGメン日誌

福袋に盗品詰め込んだ万引き老女、「お正月だから妹とおいしいものを食べたくて」警察官も呆れ

2022/01/08 16:00
澄江(保安員)

「今までに、同じことで捕まったことありますか?」「うん。5回目くらいかな」

 事務所に向かう道中、代金を立て替えてくれる人がいるか尋ねると、妙に人懐こい顔で答えます。

「妹と一緒に暮らしているんだけど、精神病なの。こないだなんかさ、裸で買い物に行っちゃって、あたしが警察まで迎えに行ったのよ」

 事務所に連れて行き、テーブルの上に福袋を置かせて、さきほど隠した商品を取り出させます。念のため、ほかにないか尋ねてみると、いつの間に隠していたのか、上衣のポケットからラッピングされた毛ガニが出てきました。被害は計13点、合計で2万5,000円ほど。

 お金はもちろん身分を証明するものも持っていないので、チラシの裏紙に人定事項を書いてもらうことにして、その間に店長を呼び出します。

「え? もう捕まえたの?」


 声をかけた時間は、9時11分。驚いた様子で事務所に現れた店長に、これまでの経緯を伝えると、最後まで話を聞くことなく警察に通報しました。何かあったら呼んでくれと、事務所を出ていく店長の背中を見送り、警察が到着するまでのあいだ雑談をして場を繋ぎます。

「今までに、同じことで捕まったことありますか?」
「うん。5回目くらいかな」
「年賀状、足りなかったの?」
「ううん、郵便局に持っていくとお金になるから」

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