コラム
[再掲]仁科友里「女のための有名人深読み週報」

マツコ・デラックスの引退説に考える、テレビ視聴者に“毒舌”が通用しなくなった現況

2022/01/27 21:00
仁科友里(ライター)

 さらに、「週刊女性」(主婦と生活社)の直撃を受けたマツコ・デラックス自身が、「みなさんにとっては突然なのかもしれないけれど。アタシも次の人生を考えるときに、このままだと身動きがとれないからね。だから降りられるものは降りようとしていますよ。なんかしがみつくのも嫌だし、もっと若い人に頑張ってもらわないといけないわけだから」と心境を吐露している。

 このタイミングでの仕事の縮小には驚くが、マツコはブレーク直後から、いろいろな番組でずっと芸能界に居続けるつもりはないと発言しており、今年1月の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)でも、「あと10年くらい細々と頑張って国外に脱出しようと思っているの」と話していただけに、前から思っていたことを実行しつつあるというほうが正しいのではないか。

 気になるのが、所属事務所社長の「いまのキャラのままで、これからずっと将来も、というのはやっぱり難しいです。これからどうするのかを自分でも考えているところですよ」という言葉である。私には順風満帆に見えるマツコの芸能活動だが、マツコ本人とマツコの育ての親は、危機感のようなものを感じているということだろう。

 それが何かが語られることはないので推測するしかないが、確かに今の時代はマツコのような毒舌タレントには、やりにくい部分はあるように思うのだ。

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