仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

『5時に夢中!』内藤聡子アナに考える、男はなぜ“ジジ殺し”に執着するのか?

2015/05/21 21:00
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『5時に夢中!』(TOKYO MX)公式サイトより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「うちのジジ殺しは、どうですか?」ふかわりょう
『5時に夢中!』(TOKYO MX、5月19日放送)

 週刊誌は定期的に、好きな女子アナ・嫌いな女子アナランキング組んで、なぜその女子アナが人気、もしくは不人気なのかを識者にコメントさせるが、それを読んでいると気付くことがある。男性週刊誌と女性週刊誌ではランキングに並ぶ女子アナが違うのはもちろん、コメントで使われる語彙が、まったく違うのだ。

 例えば、女性週刊誌においてよく使用される褒め言葉「サバサバ」は、男性週刊誌ではまったく見られない。サバサバしているということは、「男性に媚びていない」という意味だが、男性にとって、そういった振る舞いはどうでも良いということだろう。一方、男性週刊誌においてよく使用されるが、女性週刊誌ではまったく見ない言葉、それが「酒につきあってくれそう」と「ジジ殺し」である。「酒につきあってくれそう」は、読者が抱く勝手な願望なので放置するが、「ジジ殺し」の頻度があまりにも高く、捨て置けない。

 男性向けと銘打たれてはいないが、男性読者が多いと予想される日刊ゲンダイは、日本テレビ政治部記者と電撃婚したTBSの久保田智子アナウンサーを「TBSのジジ殺し」と太字で報じ、この記事は、『5時に夢中!』(TOKYO MX、5月19日放送)の「夕刊ベスト8」というコーナーで取り上げられた。久保田アナといえば、かつて『みのもんたの朝ズバッ!』(TBS系)のアシスタントを務めていたことがあり、火曜レギュラーであるタレントの岡本夏生は「みのさんの女房役ができる、ということは、あらゆるタイプのジジイの女房役が出来る、ということ」と高い“ジジ殺し”のスキルを評価した。


 前述した通り、女性は“媚びる”ように見える振る舞いを毛嫌いする。ジジイに好かれるという、ある種、媚びを売るかのようにも感じられる行為を、なぜ女性はスルーして男性は固執するのか。

 そのヒントになるのが、岡本とアシスタントの内藤聡子の発言である。番組MCふかわりょうが、内藤を指して「うちのジジ殺しは、どうですか?」と岡本に意見を求めたところ、岡本は「内藤さんは、上層部との癒着がすごいから安泰」「上層部との食事会には必ず行く」と、ジジ殺しの具体的エピソードを披露。内藤も自分のジジ殺しスキルには自信があるようで、喜色満面、自信満々に「今日も(食事会で、ジジイを)殺してきます」と応戦した。

『アナウンサーとして生きる(AERA Mook)』