仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

ベッキーが今、「周りを幸せにしたい」と言ってはいけない2つの理由――“いい子発言”が気になるワケ

2021/12/23 21:00
仁科友里(ライター)
ベッキーが今、「周りを幸せにしたい」と言ってはいけない2つの理由――いい子発言が気になるワケの画像1
まだ“いい子”でいたい気持ちが透けて見える(C)サイゾーウーマン

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今週の芸能人>
「周りの人を幸せにしたい」ベッキー
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 「週刊文春」(文藝春秋)が2016年に不倫スクープの1人目として取り上げたのは、タレント・ベッキーだった。それまで「好感度が高い」「いい子」というイメージで通っていたベッキーは、既婚者であるゲスの極み乙女。のボーカル・川谷絵音と不倫。川谷は妻がいながら、ベッキーと正月に長崎にある実家に“帰省”したという。クリーンなイメージで売っていた有名タレントが、既婚者の実家を訪問するという無神経な行動を取り、「裏切られた」と思った人もいたかもしれない。

 当時、ベッキーはCM契約を多数抱えていた。それが理由なのだろう、「文春」報道後に記者から質問を受け付けない会見を開き、川谷とは「いいお友達」だと釈明した。しかし会見後、その答えを待っていたかのように「文春」は2人のLINEのやりとりを掲載。これが不倫の確固たる証拠となり、川谷が妻と離婚するつもりであることもバレてしまった。

 不倫をして、ウソまでついて、夫を略奪しようとしている――。これまでの“いい子”イメージは消え去り、ベッキーは世間から大バッシングを浴びて、休業に追い込まれた。


 この影響はいまだに尾を引いているようだ。ベッキーがテレビに出演し、そこでの発言がネットニュースになると、「Yahoo!ニュース」のコメント欄には必ずといっていいほど「不倫したくせに」と、過去をほじくり返す声が上がる。個人の感覚の問題だから、そう思う人がいても仕方ないが、いまだにベッキーに文句をつける人は、16年より前に不倫をしていた芸能人にも文句をつけるのだろうか。

 芸能界には不倫を経て結婚したカップルはいて、おしどり夫婦として知られる中尾彬・池波志乃夫妻は、もともと不倫関係にあったことを本人たちが認めている。元テレビ朝日アナウンサー・徳永有美も、03年に夫のいる身でありながら、ウッチャンナンチャン・内村光良と温泉旅行をしていたことが発覚。徳永アナは担当していた番組で謝罪し、その後、夫と離婚して内村と再婚。なお、この騒動でテレビ朝日を退職した。

 しかし、中尾夫妻や内村・徳永アナがテレビに出ても、ネット上で「不倫のくせに」とベッキーのように責められることはほとんどない。結局、「不倫をしたから責められる」のではなく、「テレビに出ている人を責めるときに、『不倫をした』というのはいい口実になる」といったところではないだろうか。

人はなぜ不倫をするのか