コラム
オンナ万引きGメン日誌
ベテラン万引きGメンが負傷! 人気芸人似の凶悪犯と命がけの対決【歳末警戒SP】
2021/12/11 16:00
「大事に至らなくてよかった。本社に報告しないといけないので、診断書とあわせて事故報告書を提出してくださいね。年末なので、なるべく早めにお願いします」
警察官に呼ばれて現場に来た店長は、被害状況を把握すると、事務的な口調で言いました。このような受傷事故が発生した場合、クライアントに謝罪をしたうえで事故報告書を提出することになり、再発防止策の報告も求められます。店長からすれば、余計な仕事が増えたにすぎず、おそらく内心では面倒に思っているのでしょう。保安員の仕事は警備業に属しているため、無事故で1日を過ごすことが一番重要で、自分に落ち度がなくとも騒ぎを起こせば嫌がられるのです。
(頑張っているつもりなんだけど……)
野次馬の視線を浴びながら、少し嫌な気分で救急車に乗り込み、車内のストレッチャーに横たわると、胸に激痛が走りました。診断の結果は、肋骨骨折。2か所骨折しており、全治2か月の重傷です。
湿布を貼り、コルセットを装着して、痛み止めを処方してもらってから警察署に向かい、逮捕手続きを済ませます。犯人の男は、32歳。金がなく、換金目的で盗んだといい、執行猶予中の身であることから怖くなって暴れてしまったと話しているそうです。