オンナ万引きGメン日誌

逃走万引き犯が捕まった! 「しっかり思い出して」検察庁でGメンが体験したイヤ~な話

2021/11/27 16:00
澄江(保安員)
写真ACより

 こんにちは、保安員の澄江です。

 ここのところ、人手不足とコストカットによる人員削減の両立を図るため、接客支援や自動精算、認証装置などさまざまな機器が開発されています。新しいシステムが導入されると、それを突破して盗み出すことに喜びを得るようなタイプの挑戦者的万引き常習者が必ず現れることも不思議で、その盲点を突くような犯行を目にする機会も増えてきました。ゲーム感覚なのか、楽しそうに犯行を繰り返す被疑者が多く、その人間性を疑うばかりです。

 先日、会員登録された客が使用できる自動精算機能付きの買い物カートを導入する店舗で、そのシステムを悪用する手口を用いた常習者の検挙報道がありました。

 その被害は、食料品ばかり計60点、合計で1万1千円相当。被疑者は20歳の女性で、頻繁に来店しては、そのたびに多量の食品を盗み出していたそうです。その行為を見咎められて、お店側から警告を受けたこともあったそうですが、彼女が犯行を止めることはありませんでした。同店のシステムには、多数の余罪記録も残されており、蓄積された盗難被害は140万円以上に上っているとのこと。

 被疑者の家族らが、これまでに盗み出した分すべての損害賠償請求に応じる姿勢をみせたことで和解に向けた協議がなされているようですが、店員に注意されても、なお、万引きを頻繁に繰り返した被疑者の心理は理解できるものではありません。被害状況から察するに、被疑者本人の万引き癖(あえて病気とは言いません)は深刻なものに違いなく、再犯抑止に向けた長い戦いが始まったといえるでしょう。成人した娘の尻拭いに奔走する両親の気持ちを思えば、これを最後にしてほしいと願うほかなく、見捨てぬ親の愛情に感心した次第です。


 防犯カメラの性能向上や設置台数の増加により、特定の万引き常習者による被害を特定できるようになったのは大きな進化で、映像をもとに被害申告をして被疑者の特定に至るケースも増えています。半年ほど前、化粧品やサプリメントなど大量の高額商品を盗んだ中年女に車で逃走されたことがありましたが、残された証拠から特定に至り、つい先日、逮捕に至りました。

 今回は、逃走した万引き犯の後日逮捕について、お話ししたいと思います。

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