【管理栄養士が厳選「ズボラ飯」のススメ】

魚民・磯丸水産・庄や、プロが選ぶ「お酒と相性がいいメニュー」! 200円の一品に注目

2021/11/19 21:00
猪坂みなみ(いのさか・みなみ)

 「おいしいごはんが食べたい、でも自炊するのはめんどくさい!」そんなズボラ女子の救世主といえば、コンビニ・ファミレス・ファストフード! 毎日の食事をおいしく楽チンにするため、管理栄養士・猪坂みなみ先生に、さまざまなテーマに合わせた「おすすめメニュー」を聞いちゃいます。

お酒と魚は相性がいい! 魚介メニューが豊富な人気居酒屋をチェック

Wikipediaより

 緊急事態宣言が解除され、飲食店も通常営業に戻り始めたということで、前回の焼き鳥チェーンに続き、今回も居酒屋を取り上げます! “お酒のつまみ”といえば、焼き鳥など肉メニューをイメージするかもしれませんが、魚メニューが豊富な居酒屋チェーンは結構多く、管理栄養士の猪坂みなみ先生いわく、アルコールとの相性もいいのだとか。

 そこで今回は、魚介類を中心に扱う人気居酒屋チェーン「魚民」「磯丸水産」「庄や」を対象に、栄養面から見たおすすめメニューを聞いちゃいました!

――栄養面から見て、魚とお酒の相性はどうなのでしょうか? 
 
猪坂みなみ先生(以下、猪坂) まず、魚はとても健康にいい食材で、心筋梗塞や脳卒中、大腸・肺・肝臓・膵臓などのがん、肥満、糖尿病などのリスクを下げるといわれています。実際に、1日あたり約60g魚を食べる人は、まったく食べない人と比べると、死亡リスクが12%も低いとする研究もあるのです。

 魚介類から摂れる栄養素の代表としては、筋肉や髪の毛、爪などの材料となるタンパク質、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸、ビタミンD、E、B12などのビタミン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛などのミネラル、その他の機能性成分(アスタキサンチン、タウリン、メチオニン、オルニチン、アンセリン、バレニン)などがあります。もちろん、一種の魚からこれら全部が摂れるわけではありませんが、今の日本人に足りない栄養素がたくさん含まれているのは確か。


 しかし、日本人は魚の摂取量が年々減少しており、2001年から15年で4割も減ってしまっているというデータもあります。自宅、特に一人暮らしの小さなキッチンで魚を調理するのは難しい部分もありますので、外食のときに魚介類メニューが豊富なお店を意識的に選ぶといいですね。 

 また、魚介類に含まれている栄養素で、アルコールと相性のいいものには主に下記のようなものがあります。

◎タンパク質
 アルコール分解などの代謝を担う酵素の材料になるため、お酒を飲むときは不足しないよう、積極的に取り入れることが大切。魚のタンパク質は、植物性のタンパク質よりも体内で効率よく利用されるというメリットもあります。

◎タウリン
 牡蠣や帆立などの貝類、イカ、タコ、カニ、カツオやマグロなど、魚の血合いなどに多く含まれるアミノ酸の一種。アルコールは肝臓で解毒されますが、タウリンには肝臓の能力を強める働きがあります。 摂取したタウリンは、1〜2時間後に血中濃度がピークになりますので、食事の前半に取り入れられると良いですね。

◎オルニチン
 オルニチンも、肝臓の働きを助けてくれるアミノ酸。お酒をよく飲む人の疲労感やストレスを改善するという研究もあり、相性が良いと考えられています。シジミやマグロ、ヒラメ、チーズなどに多く含まれますので、積極的に選んでみましょう。


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