コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

皇室の“歴史的”な危機を呼んだ、眞子さま数々の言動…… かつてない国民の批判と憎悪の中で人気回復のチャンスは?

2021/10/23 16:30
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――「宮中三殿」については、この連載の中でも何度か登場しましたね。

堀江 天皇家の祖神とされる天照大神や、歴代天皇の御霊が祀られている神聖な場所です。かつて詳しくお話しましたが、祭祀をめぐって昭和天皇、皇后両陛下の間に対立があったり、その中で“魔女”と呼ばれ、罷免される女官の存在もありました。

 それくらいの重要な場所を、いくら非公式とはいえ、皇族として参拝するのであれば、形で示してほしかったです。形にこそ、その人の心が表れるとする世界ですから。

 昭和天皇、皇后両陛下だけでなく、上皇さま、上皇后さまも熱心に祭祀に取り組んでこられました。その背中を孫として、眞子さまは約30年間もご覧になっていたのに、と残念に思えてなりません。民間では、いくら歴史や伝統を持つ家でも、以前のような規模での祭祀を行えているお家は少ないと思います。せめて皇族がたには……という思いが私の中にはありますね。

――国民の批判は、皇嗣殿下となられた秋篠宮さまにも向かっています。今後の皇室内のバランスにも影響が出そうですが。

堀江 すさまじい憎悪が秋篠宮家に集中していますよね。結局、眞子さまと小室さんの再会場面に秋篠宮両殿下が、短時間にせよ同席なさったことが、婿として認めた行為と報道され、これまた批判を浴びました。

 ご対応が甘かったなどと批判されている秋篠宮さまにも、ああいうふうにしか振る舞えなかった苦しさは感じられます。あえて言わせていただくと、宮さまのご対応にも致命的なところがあった、と。

 ご発言を私なりに要約するならば「結婚を許す。しかし、疑惑を説明して」ではなく「疑惑解明ができないかぎり、結婚は認められません」と仰るべきでした。実は、同じ意味なのですが、まったく印象が違いますから。

 ただ、小室さんや佳代さんの問題だらけに見える生き方について、より高く、強い立場の秋篠宮さまが「結婚など認めない」と公言するのは、皆に公平であるべき皇族の理想とは異なってしまうのです。秋篠宮さまの「公」を重んじたご対応が、逆に仇となってしまったと思われ、残念です。

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