コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

四千頭身・後藤拓実、先輩から「かわいがられなくて当然」の2つの理由――問題は「金の話」だけじゃない?

2021/09/30 21:00
仁科友里(ライター)

 お金の話とは別に、後藤が先輩からかわいがられない理由だと思うのは、表現の雑さだ。

 『あちこちオードリー』にて、MCを務めるオードリー・春日俊彰に「先輩ともっと話したいの?」と聞かれた後藤は、「話してくれて大丈夫なんです」と答えていた。この言い方だと、先輩に対して上から物を言っているような印象を受けると思う。さらに、先輩が自分に声をかけない理由について、「(先輩が)ビビってるのかもしれないですね」と分析した。

 オードリーの2人がこの話をうまく掘り下げたので、「先輩を俯瞰で見ていると思われているから、後藤に話しかけづらいのではないか」「本当は先輩のことを全員面白いと後藤は思っている」といった補足がなされたものの、「ビビっているのかもしれない」という言葉だけを聞くと、後藤が先輩をバカにしていると思う人がいてもおかしくない。こうした雑な発言も気になった。

 自分ではそんなつもりがなくても、失礼な態度を取られたと感じたほうは、そのエピソードをそう簡単に忘れないだろう。礼儀がなってないからといって先輩から怒られる時代ではないが、怒られないからといって、それが許されているとは限らない。
 
 ダウンタウン・浜田雅功は、年上ゲストの頭を叩くこともあるが、事前に自ら挨拶に行くなど気配りを欠かさないと、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で出演者から明かされていた。朴訥とした語り口は後藤の魅力だろうが、お金の使い方もさることながら、見えないところで言葉を惜しまず、誤解を招かないコミュニケーションを取ることが、先輩にかわいがられる近道ではないだろうか。 

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2021/09/30 21:00
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