サイゾーウーマンコラム独身女性が、マルチ商法にドハマり!? コラム スピリチュアル百鬼夜行 マルチ商法にハマる女の“欲望”とは? 700万円もの借金を背負った著者が見た、マルチの闇と気味悪さ 2021/09/28 14:30 山田ノジル スピリチュアルコラム 人はなぜ疑似科学を信じるのか? 人の気持ちに寄り添うヒントが見つかる 科学至上主義である主人公が家電を扱う大手メーカーに転職し、マイナスイオンドライヤーの担当になってしまった!? そんなあらすじがすでにタイトルで説明されている『科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました』(朱野帰子/文藝春秋)は、重い話は読みたくない! という心境の人にもオススメできる一冊。 『科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました』(朱野帰子/文藝春秋) 現実世界でも私たちの生活のなかで、いろいろな製品に搭載されている「マイナスイオン」。これはひと昔前「健康にいい化学物質」として謳われてブームになったものの、その後「そのような効果はない」と指摘され、疑似科学(科学っぽく装った偽物)リストの定番である存在です。ちなみに現在大手メーカーはマイナスイオンという名称を変更し、手を変え品を変え、似たようなものを出しつづけているのですが(そして私もその後登場した「ナノイー」という機能が搭載されたドライヤーを使っております)。 疑似科学を正面から「馬鹿か」と否定する主人公には、科学絶対主義者としての姿だけでなく、仕事をするうえで遭遇する矛盾や葛藤、正義感なども垣間見ることができ、働くすべての人に深く刺さりそう。そして科学の子である主人公をとりまくのは、助産師のアドバイスなど非科学的な世界を鵜呑みにする姉。優秀な科学者である親友。主人公と同類であるハズなのに、姉が与えるパワーストーンを受け入れる末期がんの父。消費者たちの反応。それらのあいだで走り回る主人公と一緒に、「人の心に寄り添うすべ」のヒントを教えられます。深く刺さってちょっと泣ける、エンタメ小説です。 山田ノジル 自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。 Twitter:@YamadaNojiru Facebook ※当記事は9月21日WEZZY初出の記事を、一部再構成して掲載しています。 前のページ123 最終更新:2021/09/28 14:30 Yahoo マルチの子 (文芸書) 知ることで防げる未来があるはず……! 関連記事 スピリチュアルな教祖様たちも、「反ワクチン」に傾倒? 陰謀論を“利用”する人々の実態のぶみ氏の絵本が書店に置かれる危うさとは? 「子どもは親を選んで生まれる」と主張する医師との関係を繙くスピリチュアル系アイドル「バイ柴49」500万円集めたクラファンに疑問……嵐、ももクロのスタッフも協力、“参加費100万円”の行方は西野亮廣『えんとつ町のプペル』、「瞑想アイドル」のアルバムが大ヒット……“教祖様”が一般化することへの懸念てんちむ&堀江貴文と急接近した「自称スピリチュアリスト」、心屋仁之助氏は“歌手”に転身! 2021年の注目教祖様 次の記事 キンプリ・神宮寺、歌番組前のルーティン明かす >