サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー『ザ・ノン』がんの病床でも明るくいる人 芸能 『ザ・ノンフィクション』レビュー 『ザ・ノンフィクション』がんの病床でも明るく、暗くなるのが嫌な人「笑顔で生きよう~お母さんと僕の約束~」 2021/08/10 15:56 石徹白未亜(ライター) 『ザ・ノンフィクション』レビュー 有言実行の人・ゑみ ゑみは学校卒業でいきなり独立したようだ。番組スタッフとの会話で「就職して誰かから『これをやれ』って振られる仕事が絶対嫌だった」「自分で好きなことを見つけて、それを仕事にするぞって言うのが昔からあって」と話していた。 この言葉に共感する人はいるだろうし、こういう気持ちをSNSでつぶやく人も少なくない。少なくないのだが、ほとんどの人はそう希望を述べるだけで終わってしまい、何も実行できずにいる人がほとんどだろう。仮に起業までこぎ着けた場合も、実質それでは食べていけず、お飾りの「起業」状態になっている人の方が多いのではないかと思う。 しかし、ゑみはそれを実行し軌道に乗せ、さらには著書『考えない台所』は14万部超えと目覚ましい結果を出している。漫画以外の書籍が1万部を超えるというのは「かなりのヒット」と言ってよく、世の中の漫画以外の9割以上の本は1万部の壁を越えられない。ましてや10万部は「異次元」の領域といっていい。運も必要だが運だけでは絶対たどり着けない領域だ。 ゑみはがんや治療による副作用でしんどかったと思うのだが、動画上はそれをおくびにも出さず、ヘア、メイクともに華やかに決めていた。ゑみの本業である料理も、そしてゑみが最期まで大切にしていたヘアメイクも、食べたり風呂に入れば跡形もなくなってしまうものだ。手を抜こうと思えばいくらでも手が抜けることだし、「やりたいときだけ頑張る」ならまだしも、それを毎日高いクオリティで維持していくのは非常に気合のいることだと思う。 ゑみはそういった日々の営みも手を抜かない人という印象を受けた。こういった徹底した姿勢が14万部の大ヒットにつながった原動力なのではないかと思った。 次のページ 病床において暗くありたくない人、そうでない人 前のページ123次のページ Yahoo 考えない台所 / 高木 ゑみ 著 関連記事 『ザ・ノンフィクション』女装一筋に見る、類まれなオタク人生「女装と家族と終活と ~キャンディさんの人生~」『ザ・ノンフィクション』老舗を正したいムコの鼻息「老舗の寿司屋に婿が来た ~4代目は元美容師~」『ザ・ノンフィクション』 わだかまりのある親の最期に何を話す?「最期の願い ~父と息子と家族の2週間~」『ザ・ノンフィクション』オタク業界とやりがい搾取の関係「ここでしか生きられない私~34歳 秋葉原メイド物語~」『ザ・ノンフィクション』父からの仕送りにも「反省しない」、夢を追う27歳芸人「ボクがなりたいもの~芸人になる。と上京した娘~」