「元夫には再婚してほしい」子どもを連れ去られ、共同親権運動を行うシングルマザーが今思うこと
――その後、係争は?
19年12月に、親権者移行の審判が終わりました。子どものアレルギーや監護権の判断では、同居前提で調査官調査や審判をすると裁判官とも共有していたにもかかわらず、彼が引っ越しを強行したので監護の継続性では彼が勝り、私は親権を取り戻せませんでした。
その後、彼と子どもたちが、歩いて10分ほど先にある元の社宅に戻ってしまいました。道路向かいの近距離別居だったのが、どうも嫌だったようです。当時のことは、子どもたちも覚えていて「パパが無理やり、いつも引っ越しをする」と言っていました。
――コロナ禍の中、交流はどうしていたんですか?
コロナ禍に入った直後は、やはり無期限面会停止に入りました。 会えなくてつらかったですし、それ以上に心配でした。それで私、この状況を利用した提案をいくつかしました。というのも私、衛生管理者と栄養系の資格を持っていまして、コロナ対策に関してもある程度の知識を持っているんです。
なので、手指や物に付着したり、空気中を漂ったりしているウイルス。それらについての安全対策が可能な限りできてしまうのです。例えばこんな感じで。「〇〇市は緊急事態宣言時には、スーパーに2人以上で来ないでくださいって言ってますよね。とすると、あなたは子どもを連れて買い物にも行けないはず。だから緊急事態宣言中は、私が食事を提供します。その間、あなたは子どもに目を配ってあげてください。もちろん、ウイルス衛生管理対策は万全に取ります」と。それが認められ、タッパーに詰めた料理を、その後、週に2回、持って行ってもいいいってことになりました。
――プロだけに説得力がありますね。
そして、社宅までご飯を届けに行ったところ、子どもたちが玄関前で泣いてたんですよ。そこで私、「大丈夫?」って言うと、子どもは約1カ月ぶりに会えた私に喜び、また抱きついてきました。
その時点で、私自身の人との接触がほぼありませんでした。それにコロナの罹患症状も見られませんでした。そうした状況を説明し、「ある程度は安全である」ということを納得してもらいました。その接触後から2週間たてば潜伏期間が終わるので、自分が陰性だと確認できますよね。なので「その時期に会いましょう」っていう話をしました。「コロナの期間だから、感染の恐れがある外で会えませんよね。だったら私の自宅にしませんか?」って言って。