BTSとマライア・キャリーを超える記録樹立! オリヴィア・ロドリゴ、快進撃のワケは“破局”ネタ?

2021/02/28 17:29
田口るい
オリヴィア・ロドリゴ

  2021年、あのマライア・キャリーの「All I Want For Christmas」の記録をはじめ、飛ぶ鳥を落とす勢いのBTSまでを蹴落とし、新しい記録を樹立した“小娘”が現れました。彼女の名前はオリヴィア・ロドリゴ、カリフォルニア出身の18歳。

 6歳の頃から歌や演技に覚醒したオリヴィアは、2016年にディズニー・チャンネルのコメディドラマ『やりすぎ配信! ビザードバーク』でヒロイン役となるペイジ役をゲット。「みんなでパーティー!」や「チョコバナナ」など、ちょっぴり意味深な放送タイトルも目を引く同作で、わずか13歳で人気子役の座を手にしました。

 19年にはディズニープラスのオリジナル作品『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』で、これまたヒロインのニニ役を務めて注目度はガンガンと上昇します。そんなディズニー出身スターを放っておくわけないのがアメリカのショウビズ・シーン。

 翌年となる20年にユニバーサルミュージック傘下の〈インタースコープ・レコード〉と契りを交わして、今年1月8日にデビューシングル「drivers license」をリリースします。これが驚くことにビルボードトップ100をはじめ、世界各国のチャートを席巻し、スポティファイにおいては「史上最大のデイリーストリーミング数」の新記録まで樹立。

 そして、マライア姉さんとBTSの記録まで塗り替えてしまいました。この2組は、アメリカを除外した他地域の世界チャート「ビルボードグローバル」における4週連続首位という最長記録を持っていましたが、オリヴィアはなんと6週連続で首位に。


 そのおったまげる快進撃の理由とは何か――。その理由は「drivers license」の歌詞に潜んでいました。

 同曲はオリヴィアの実体験が基になっている失恋ソング。哀愁漂うメロディと、悲哀感盛りだくさんの切ない歌詞が印象的。昨今、チャートをにぎやかす女子シンガー・ソングライターといったら、アリアナ・グランデやビリー・アイリッシュ、デュア・リパなど、極めてちゃきちゃきのおてんば系が目立っていたこともあってか、オリヴィアのような「休み時間も読書にふけってるけど、しっかり恋愛はこなしてそう女子」的たたずまいも功を奏した形なのかも。

 曲のタイトルから察することができるように、この曲のヒロインは運転免許を取得したばかり。免許を取って、車で彼の家に行くことを喜びを隠せないヒロインだけど、泣きながらひとりでドライブ。あら、どうしたのかしら? と聞き進めれば、〈あのブロンドの女の子と一緒なんだろうな/ずっと疑わずにいられなかった/彼女は私よりずっと年上で/あらゆることで私を不安にさせる〉という歌詞から推察できるように、まさかの恋人と三角関係の末に破局……という展開が匂います。

 そんな失恋の痛みがひしひしと伝わる曲の世界観に、世界中の免許取り立て失恋女子からの共感が続出。彼女たちは胸を打たれ(中には危険な運転でエアバッグが作動して、リアルに胸を打ってしまう免許取り立て女子もいたとか)、それと同時に「drivers license」は、ファンの間でいわゆる“匂わせソング”としても話題にのぼることに。