コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

弘中綾香アナは「義理チョコ廃止」実現できない!? 敬意を払われたい男の存在と、女子アナという仕事

2021/02/18 21:00
仁科友里(ライター)

 スタッフとチョコレートといえば、こんなこともあった。2月14日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、義理チョコ文化の衰退が取り上げられた際、MCの東野幸治が、久代萌美アナウンサーに、誰にチョコレートをあげたのか尋ねていた。久代アナは「(東野と松本人志の)お二人にしかあげていない」と答えると、松本は「スタッフとかに渡さないの?」と驚いたようで、東野に至っては「だから、スタッフにあんまり評判よくないんですよ」とまぜっ返していた。

 チョコレートくらいで評判が変わるとはとても思えないものの、テレビに出ている人を中心に「義理チョコをもらうことを、敬意を払われているかのバロメーター」と解釈する男性もいるのではないだろうか。

 いきなり話をスケールダウンさせて恐縮だが、私がハケンとして働いていた時の上司がチョコレートを欲しがったのも、チョコレートそのものが欲しかったというわけではなく、敬意を払われている証拠が欲しかったのかもしれない。これは女子アナのように男性人気が大事な職種や、大物男性タレントのアシスタントをする……もっというと「仕える」ことが多い職種で、特に起きがちな現象なのではないだろうか。義理チョコを「一体誰が得をするんだろう」と発言していた弘中アナだが、こうやって考えてみると「軽く見られたくない、損をしたくない男性」には意味のある行事なのかもしれない。

 「革命家」になり、アナウンサーのイメージを変えることが夢だという弘中アナだが、真の革命家、キューバ社会主義革命の父、フィデル・カストロは革命を成し遂げるため、メリットがあれば本来なら敵のはずの資本家とも積極的に手を結んだという。新しいことをやりたくても、世の中というのは、なかなか理屈通りに動かないのも事実。どうか弘中アナも清濁併せ吞みながら、革命のために頑張っていただきたい。

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2021/02/18 21:00
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