仁科友里「女のための有名人深読み週報」

高畑裕太、復帰の足を引っ張るのは母・高畑淳子? 「被害者の椅子」に座ろうとする彼女に思うこと

2020/12/10 21:00
仁科友里(ライター)

高畑裕太の事件で「人生台無し」になったのは誰か?

 もっとも高畑の「息子は無実」といった発言は、今に始まったことではなく、17年4月28日付のウェブサイト「女性自身」の記事においても、記者の質問に「彼は無実です」「あの子の人生が台無しになったんですよ!」と発言、やはり「息子はハメられた」と信じているようだ。

 それでは、裕太は実際に、事件によって「人生台無し」になったのか?

 確かに裕太のテレビ復帰は厳しくなったが、実際に同意があいまいな性交渉をしてしまったという意味では、自業自得な部分はあるだろう。一方で、お母さんである淳子の人生はというと、決まっていた舞台は降板しなかったものの、一時、テレビへの出演を控えたりしていたそうだ。淳子がテレビに出れば、性犯罪を思い浮かべる人もいるだろうから、その判断は有名人として妥当といえるだろうし、そうはいっても、実力のある女優だから、淳子にオファーが絶えることはない。こうなると、割を食っているのは、裕太のお姉さんである、女優・こと美ではないだろうか。

 「週刊女性」19年8月6日号によると、こと美は裕太と意見がぶつかりがちな淳子に代わり、裕太の復帰を支えてきたそうだ。裕太が舞台に復帰したとき、こと美は「また何かあったら私は弟と縁を切ります」と言っていたという。言葉だけで解釈するとクールなように感じるが、オトナである裕太が復帰にこぎ着ける3年余の間、ずっと面倒をみていたわけで、実際はものすごく裕太に労力を割いていると言えるのではないだろうか。

 もう一つ不思議に思うのが、淳子は裕太とバラエティー番組に出演するなど、芸能活動をプッシュしてきたのに、こと美のときにそれをしなかったのは、なぜなのかということである。こと美が自分一人の実力で仕事が取れるから心配ないと思ったのかもしれないが、お母さん、裕太をひいきしすぎではないだろうか。


 番組名は失念したが、その昔、バラエティー番組で、淳子が「私が死んだら、この子(裕太)は税金とか払えないと思う」と話していた。経済力がなくて払えないという意味か、期日までに収める事務手続きができないという意味かはわからないものの、裕太への溺愛ぶりから考えると、こういう手間もお姉さんが背負わされるのかもしれない。

 娘と息子がいると、母親が息子ばかりひいきするという話はよく聞くし、気の利く長女がつい家の尻ぬぐいをしてしまうのは、あるあるだろう。もし、高畑家もそのパターンに当てはまるとするのなら、お姉さんは長女の呪縛から逃れて、好きに生きてほしいと願わずにいられない。

仁科友里(ライター)

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2020/12/10 21:00
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