NCT Uの「90’s Love」を徹底解剖! 90年代の元ネタから楽曲・歌詞・ビジュアルをフル解説
まずはイントロからですが、これは何の知識がなくても私の記事を今まで見ていた方にはわかるでしょう、New Jack Swingです。もはや説明は不要だと思いますが詳しくはNJS特集を参照して下さい。
「90’s Love」のイントロに関しては、この曲を引用してそうな気がします。ちなみにBell Biv DeVoeは先月23日、アメリカで40年以上続くAmerican Music Awardsで初めてパフォーマンスを行い、NJSメドレーを披露しました。
■Bell Biv DeVoe – Poison (Remix) (1990)
ただし音の処理など“はっきり”さに関しては、現代のNJS、Bruno Marsの「Finesse (Remix)」などの方が近いと思います。
ビートが一度なくなりベースと一緒にサイレンのような浮遊感のある音が流れ始めますが、これはこの曲の9小節目(00:18)から始まる上ネタでしょうか。
■Miles Davis – Fantasy (92)
この少し落ち着かない音の上ネタにもサンプリング元があり、81年にリリースされたESGというバンドの楽曲です。
■ESG – UFO (81)
ちなみにFantasyの収録されているアルバム「Doo-Bop」はJazzy Hiphopを紹介した時に挙げたDoo Bop Songも収録されているアルバムです。
全体的なビートの印象としてはHiphopですが、スネアなどは少し80年代のNJSっぽさも感じられます。90年代に入るとNJSのドラムはこもった感じの音になるため、80年代の方が近いように思います。
■Guy – Spend The Night (88)
また「90’s Love」のBPMは108ですが、90年代の黄金期と呼ばれるHiphop楽曲のBPMは80~どんなに速くても100前半ぐらいで、80年代後半~90年代前半に流行した以下のような楽曲のほうがBPM的には近いと言えるでしょう。
■Public Enemy – Fight The Power (89)
■Ultramagnetic MC’s – Poppa Large (92)
■TLC – Hat 2 Da Back (92)
今まで挙げた曲を「90’s Love」と聴き比べると、サウンド的に少し音が薄かったり音数が少ないと感じるかもしれません。ここは、今聞いてほかの曲との聴き劣りがないように音圧を高く、音を厚く処理しているのでしょう。なので、サウンド的な面だけでいうと90年代コンセプトとはいえ、かなり現代風に解釈されているのを感じます。
なかなか言葉で説明するのは難しいですが、ドラム全体の雰囲気としては00年中盤のこの辺りが近いでしょうか。
■Smitty feat. Swizz Beatz – Diamonds On My Neck (05)
■Platinum Pied Pipers – Stay With Me (DJ Mitsu The Beats Remix) (05)
ビートのアタック感としてはLAビートシーン周辺のこの辺りが連想されます。
■Hudson Mohawke – Free Mo (06)
■Flying lotus – Clown Hair (06)
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