仁科友里「女のための有名人深読み週報」

高樹沙耶、大麻ツイート終了宣言の裏に新しいオトコ……“男捨離”を繰り返す彼女に見る、恋愛体質の条件

2020/11/06 12:15
仁科友里(ライター)

「もったいない」という考え方をしない高樹沙耶

 そんな高樹が先日10月6日、突然「この場から去ります」とツイートして、発信をやめた。

 ニュースサイト「デイリー新潮」によると、高樹は大麻を合法化したいという気持ちに変わりはないようだ。アメリカやカナダの一部の州で大麻が合法化されたことを挙げ、「そんな世界的な流れのなかで、日本だけが取り残されたままでいる。テレビなどが平然と、大麻は覚せい剤と同じだと“ウソ”の情報を伝え続けているんです」と語っている。それでは、なぜ活動をストップさせることにしたかというと、「著名人で、ここまで声高に叫び続けているのは、私くらいじゃないですか。でも、いくら発信し続けても、わかってくれない。国が“ダメ、絶対ダメ”としている以上、メディアもそれに倣うし、進まないんだって気づいたとき、もう矢面に立ちたくないって思うようになってしまって」とのことだ。

 もし、高樹が本当に大麻を合法化したいのなら、やみくもに他国の例を引っ張ってくるのではなく、大麻が本当に悪いものなのかを、自ら科学的に検証する姿勢が求められるように思うが、それはさておき、高樹は藤井風の「帰ろう」という歌を聞いて、気持ちが変わったという。「憎しみあいの果てに何が生まれる わたし、わたしが先に忘れよう」という歌詞に心打たれて、高樹はツイートをやめたそうだ。

 そして、高樹の傍らには新たなオトコがいる。高樹が逮捕されたとき、これまで親切にしてくれた石垣島の人たちもよそよそしくなった。高樹はメンタルのバランスを崩して、精神科に通院するようになるが、その時に知り合った男性が親身になって励ましてくれたという。その男性は「私を誰よりもわかってくれる人」だそうで、すでに結婚して2年が経過しているとのこと。もちろん「大麻草検証委員会」代表の男性との関係は終わっている。

 そんな高樹を「男にのめりこむタイプ」と見る人もいるだろうし、実際そうだと思うが、高樹の特筆すべき点は「激しくのめりこむが、終わった後の未練や後腐れがまったくないところ」ではないだろうか。


 例えば、フリーダイビングを恋人の影響で始めたとしても、日本新記録を達成するとは相当センスがあったのだろう。その道を究めることもできたはずなのに、高樹は男性と別れたら、競技としてのフリーダイビングをやめてしまっている。同様に、大麻合法化に向けて活動するため、人気女優の座と経済的な基盤を手放してしまったが、そこを真剣に悔いているようにも見えない。新しいオトコが見つかったら、あれだけアツくなっていた大麻に関するツイートもあっさりやめてしまった。自分のやってきたことを大事に思うほど、“過去”は捨てにくくなるものだと思うが、高樹は物事に真剣に取り組むことはあっても、「もったいない」という考え方をしないし、忘却力に長けているといえる。

 「サンクコスト効果」という言葉をご存じだろうか。投資した金額やかけた時間を惜しむあまり、判断を誤ってしまう心理状態のことを指す。恋愛にたとえると「恋人に誕生日プレゼントをあげたばかりだから(別れるのはソン)」「〇年も付き合ったんだから(別れたくない)」というような考え方がそれにあたるだろうが、思うに高樹はこういう未練というかケチくささみたいなものと無縁なのではないか。

 冒頭で私は、「恋愛体質の人といえば、高樹沙耶」と述べたが、こうした彼女の特徴こそ、「恋愛体質」と呼ばれる人の条件だと思うのだ。日頃から後先考えずにはいられない人、目先の利益を気にしてしまう人は、「恋愛体質」なるものを目指しても無理だと思うし、目指す必要もないだろう。

 「デイリー新潮」で、「うちの墓に入れば。最後まで、婆さんになっても面倒見るよ」と夫に言われたと高樹は明かしていたが、今その言葉を受けて「うれしい」と思うことと、結婚生活が続くかは別の話である。今の夫の好きなものに染まり、いっぱしの業績をあげ、その恋が終わればすっぱりやめる。そんな“男捨離”を繰り返していくように思えてならない。

仁科友里(ライター)

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2020/11/06 12:15
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