SEVENTEEN「HOME;RUN」は「Jazz」を知るとさらに楽しい! MVの世界観と音楽ルーツを解説
年代順で挙げた1900年代のニューオーリンズ・ジャズは文字通りニューオーリンズで生まれたものです。ニューオーリンズのアフリカンアメリカンの葬儀では墓地まで親族や友人などの関係者が行列で行進する風習があり、いつしか音楽隊も同行するようになりました。墓地に行く際は重々しい葬送歌や賛美歌を演奏しますが、墓地からの帰りにはスウィング感のある賛美歌や霊歌などの明るい曲が演奏されました。
行きは「ファーストライン」、帰りは「セカンドライン」と呼ばれ、ニューオーリンズがフランスの植民地だったことで西洋音楽の影響を受けており、セカンドラインで使われる楽器はコルネットやクラリネット、トロンボーンやチューバなどの管楽器中心のブラスバンドになりました。コルネットのメロディを中心として歩きながら即興で演奏を行い、この「セカンドライン」がニューオーリンズジャズの原型になったと言われています。
これは最近のものですが実際にニューオーリンズで行われた葬儀の模様で、動画の4:40頃までがファーストライン、それ以降がセカンドラインと聞くだけでわかると思います。
■King Oliver And His Creole Jazz Band (1923)
ストーリーヴィルではラグタイムとニューオーリンズ・ジャズが交ざり合い、またラグタイムが一世風靡したこともあり、「ジャズかな?」と思うような曲でも曲名に「rag」と入っているものもあります。レゲエの説明をしたときの「メント」と「カリプソ」の関係と似ていますね。
ラグタイムは基本楽譜通りに演奏をする音楽でしたが、左手の伴奏部分の自由度を上げ、さらにはアドリブやブルーノートを取り入れ演奏をするミュージシャンが出てきて、一般的なラグタイムと並行してジャズへ接近していく部分も出てきます。
■Eubie Blake – The Charleston Rag (1917)
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