[コラム]K-POPタテ・ヨコ・ナナメ斬り

TikTokで世界的ブーム再燃!? ネット時代の音楽ジャンル「Jersey club」――K-Pop・EXOの“キシキシ”音に注目

2020/10/03 19:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

アジアを含めた近年のJersey clubの動向〜20年Cookiee Kawaii「Vibe」が大ヒット

 ポップス的な側面から見ると、取り入れるのが一番速かったのは中国のアイドル、元EXOのルハンが歌った映画『カンフーパンダ』のプロモーション曲「Deep(海底)」ではないでしょうか。
■LuHan鹿晗 – Deep/海底 (2015/12)

 と言っても、Trippy Turtleがリリースしたこの曲そっくりなので、取り入れて昇華したというよりはそのままコピーした感が強く、あまり自分のものにできているという感じではありません。

■Trippy Turtle – Trippy’s Theme (2014/6)

 2017年には、韓国のトラックメイカーPure 100%と日本のトラックメイカーKOTONOHOUSEが共作した「Girlfriend」を、ニュージャージーで00年代初頭からBrick BanditsクルーでDJやプロデューサーとして活躍しているR3LLがRemixするという、データのやりとりが簡単にできる現代ならではのコラボレーションも起こります。
■Pure 100% & KOTONOHOUSE – Girlfriend (R3LL Remix)

 この頃にはFuture bassなど他のEDMジャンルと融合し、ビートのリズム部分だけ・ボーカルのチョップ部分だけ・Bed squeak sound部分だけ、など部分的にJersey clubの要素を取り込んだ楽曲もたくさん生まれます。


 近年ではニュージャージーを拠点にするCookiee Kawaiiというアーティストが19年4月にリリースした「Vibe」という曲がTikTokのダンス動画を通じて広がり、同時にSpotifyでも300万回再生を記録します。コロナ禍によるロックダウン期間中にさらなる広がりを見せ、現在は約6300万回の再生数となっています。恐らく世界で一番聞かれたJersey club楽曲ではないでしょうか。

 元々はMV等映像メディアは存在しませんでしたが、人気を受け2020年5月にはアニメーションMVを、8月にはMVを公開し、ラッパーのTygaを迎え尺を伸ばしMVも改めて撮り直したRemixも公開されています。
■Cookiee Kawaii – Vibe (If I Back It Up)

■Cookiee Kawaii &Tyga – Vibe (If I Back It Up)

【輸入盤】デビュー・シングル:ダララ