サイゾーウーマン芸能韓流K-POPのレゲエ曲 芸能 [コラム]K-POPタテ・ヨコ・ナナメ斬り EXOやTWICEなど続々! ONF「Sukhumvit Swimming」から繙くK-Pop「レゲエ」のこれまで 2020/09/03 19:00 サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman) K-POPタテ・ヨコ・ナナメ斬り 4-1:黒人の誇りや社会問題を伝える「レゲエ」の誕生 ロックステディの中心人物であったアーティストたちが国外に移住したことや、演奏・録音機材の発達などによりサウンドが進化したものとなり、拍子も4拍子から2拍子へと変わり、レゲエ特有のアンサンブルができていきます。 ジャマイカ労働党の経済政策の失策による景気・治安の悪化や、66年にジャーの化身と言われていたエチオピア帝国の最後の皇帝ハイレ・セラシエ1世がジャマイカに訪問したことからジャマイカ国内のラスタファリアニズムが再燃し、歌詞の内容はスカやロックステディ期とは打って変わって黒人の誇りや社会問題について、レゲエが「ラスタの思想やメッセージを伝える手段としての音楽」という位置づけになり流行していきます。 69年レコーディングされ71年にリリースされたThe Abyssiniansの「Satta Massagana」という曲は自分たちが開放される約束の土地・目指す土地(ラスタにとってはザイオン=天国やエチオピア)や王(ハイレ・セラシエ=ジャー)のこと、曲の最後ではエチオピアの公用語であるアムハラ語で「Satta Amassagana Ahamlack, ulaghize」(絶えず神に感謝を捧げる)と、崇高なるラスタの精神を歌う賛美歌のようなものとして、ルーツロックレゲエの金字塔とされています。 ■The Abyssinians – Satta Massagana (71) また今までは曲の冒頭や間奏部分で楽曲の紹介をする役割の人(Deejay)がVersionが発明された以降はそこに言葉を乗せ、歌手のようにレコーディングし曲を発表するようになります。この「Deejay」は現在Hiphopなどで一般的な選曲をする「DJ」とは違い、Versionに乗せて喋ったり語ったりする(トースティングする)役割の人のことを言います。Deejayによるトースティングはレゲエ特有のボーカルスタイルとして定着していき、後のラップを生み出すことに影響を与えたと言われています。 ■U-Roy – Wake The Town (70) 4-2:74年、Billboardチャートで初の1位〜「ダンスホールレゲエ」誕生 レゲエの語源については諸説ありますが、1つはパトワ語の「rege-rege」(レゲレゲ、ぼろ・ぼろ布・口喧嘩・口論の意味のスラング)から転じたと言われており、Toots & The Maytalsの「Do The Reggae」という曲によってジャマイカ全体に広がったようです。 72年にはSimon & GarfunkelのPaul Simonがレゲエを取り入れた「Mother and Child Reunion」の入ったアルバムをリリースしビルボードチャート4位になり、今までは欧米圏でイギリスしか認知のなかったレゲエがアメリカでも注目されることとなります。 全てジャマイカで制作された初の長編映画『The Harder They Come』はジャマイカからロンドンに活動の場を映したジャマイカ人、Jimmy Cliffが主演をし、73年にはBob Marley & The Wailersがメジャーデビュー、74年にはEric ClaptonがBob Marley & The Wailersの「I Shot The Sheriff」をカバーし、レゲエ楽曲として初めてBillboard Hot 100チャートで1位を獲得します。 ■『The Harder They Come』の日本公開時トレイラー ■Bob Marley – I Shot The Sheriff (73) 以降もBob Marleyを中心にたくさんのルーツロックレゲエがリリースされ、名曲として今まで語り継がれています。 ■Bob Marley & The Wailers – No Woman, No Cry (74) ■Burning Spear – Marcus Garvey (75) 70年代後半に入ってもルーツロックレゲエの人気は衰えず、世界的人気のあったBob MarleyやJimmy Cliffは海外公演をたくさんこなしたためジャマイカ国内での活動は減ります。一方で、国内では政治経済の混乱も相まって、ラスタファリアニズム的な硬派なメッセージへの失望感が広がり、そんな中、81年にはBob Marleyが亡くなります。 これらを機に、ラスタファリズム色は段々と薄れていき、YellowmanやSuper Cat、Buju Banton、Beenie ManなどのDeejayを中心にSlackness(スラックネス)と呼ばれる下ネタを中心とした歌詞に変わり、「思想の音楽」であったルーツロックレゲエから「踊るための音楽」であるダンスホールレゲエ(初期)へ変化していきます。 ■Yellowman – Soldier Take Over (83) ■Little John – True Confession (84) 次のページ 5:音楽から思想が消え、下品な歌詞があふれたダンスホールレゲエ・後期 前のページ1234567次のページ Yahoo Bob Marley - Live at the Record Plant '73 (CD) 関連記事 K-POP、2020年上半期ベスト15曲! TWICE「OXYGEN」ベッキョン「R U Ridin’?」Stray Kids「Airplane」ほかStray Kids「GO生」だけじゃない、TWICEやBTSなどK-POPとDrum&Bass/Jungleの注目14曲!EXO・ベッキョン「Bungee」、BTS、BAPほか……Jazzy HiphopのK-Pop20曲を解説!K-Popアイドルいま注目のラップ人材、15曲! ソテジワアイドゥルからMCNDまで、韓国ラップ重要まとめNCT127から紐解くK-POPとBig beat/Digital Rockジャンル――The Prodigy・80KIDZほか18曲