今年の夏もそろそろ終わり

『24時間テレビ』への3つの苦言――志村けんさんドラマに「死を利用するな」、募金ランに「ただ走らせたいだけ?」

2020/08/22 10:00
サイゾーウーマン編集部
『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)公式サイトより

 8月22〜23日、日本テレビ系で毎年恒例のチャリティー特番『24時間テレビ 愛は地球を救う』が生放送される。43回目となる今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で放送が危ぶまれていたが、3月の時点で、同局の小杉善信社長が「必ずやる」と宣言。7月6日には、V6・井ノ原快彦らジャニーズの面々をメインパーソナリティに迎え、無観客で決行されることが発表された。

 感染対策として、今年はメイン会場の両国国技館でのタレントによる募金受付を行わず、キャッシュレスでの募金を呼びかけるなどとしているが、同番組に対しては、さまざまな苦言が飛び交っている状況だという。

「主に3つの点に、疑問の声が集中しています。まず一つ目は、3月に新型コロナウイルス感染症による肺炎で亡くなった志村けんさんのヒストリードラマ『誰も知らない志村けん−残してくれた最後のメッセージ−』の放送についてです。メインパーソナリティの一人であるジャニーズWEST・重岡大毅を主演に据え、長年連れ添ったディレクターから見た“志村さんの素顔”を描くとされていますが、コロナが収束する気配が一向になく、志村さんの急死を受け入れきれていない人もいる現段階でドラマ化するのは、どう見ても時期尚早。ネット上でも『志村さんの死を視聴率稼ぎに利用するな』といった声が上がっています」(芸能ライター)

 二つ目は、名物企画「24時間マラソン」に代わって行われる「募金ラン」。シドニー五輪の女子マラソン金メダリスト・高橋尚子率いる「チームQ」が、公道ではなく私有地を走り、1周5kmのコースを周回するごとに、走った本人が10万円を募金するという。

「ネット上で『なぜ走った人がお金を出すの?』『募金するのにわざわざ走る必要はあるのか?』といった指摘が上がるなど、確かに謎だらけの企画と言えるでしょう。制作サイドが『24時間マラソン』に代わる“画”を欲して、『ただ走らせたいだけでは?』と疑う声、また熱中症の危険があるこの時期、医療チームを待機させてまで走ることに対し、『そこまでしてやらなくていい』『コロナ対応に医療従事者を回したほうがいい』『普通に募金して』との意見も見受けられます」(同)


 そして三つ目の最も大きな疑問点は、やはり「なぜコロナ禍で放送を決行するのか」という、そもそもの部分だ。

「東京オリンピック・パラリンピックは来年に延期することが決定し、春・夏甲子園まで中止。フジテレビ系の『FNS27時間テレビ』やTBS系の『オールスター感謝祭』も放送中止にと、各方面で苦渋の決断が余儀なくされています。都内の感染者数も、いまだ増加傾向にあり、芸能界でも感染者が続々と増えている中、なぜ『24時間テレビ』は番組を決行するのか……。疑問が集中するのは当然と言えるかもしれません」(同)

 公式サイトによると、今年のテーマは「動く」。「こんな時だからこそ、離れていても、心通わせて動き出そう」という思いが込められているという。果たして日本テレビは、「やっぱり『24時間テレビ』があってよかった」と視聴者の心を動かす番組を作れるのだろうか。

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最終更新:2020/08/22 10:00
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