過激化する声優ファンの「入り待ち・出待ち」事情――「収録スタジオ近くでバイトする人も」と業界関係者
先日、大手声優事務所の81プロデュースが公式Twitter上で、「事務所近辺での出待ちが見受けられました」と投稿。「近隣への迷惑にもなりますので、その様な行為は、絶対にお止めください」「平常時はもちろんですが、現在の感染症拡大防止の観点からも、キャスト・スタッフ・ファンの皆様、全ての方の健康管理の為にも、ご協力の程宜しくお願い申し上げます」と、ファンに注意喚起を行った。
昨年10月には、劇団ひまわりに所属する人気声優・宮野真守も、公式サイト上で出待ち行為などに対する注意事項を掲載するなど、一部ファンの過激な行動が問題視され、運営側やタレント自らがアナウンスするケースが増えてきている。実際、ファンの入り待ち・出待ち行為などはどれほど行われているものなのだろうか?
「81プロデュースの場合、事務所隣接の収録スタジオがあるため、入り待ちや出待ちがしやすいのでしょう。ファンにとってはいつターゲットの声優が現れるか予測がつかない事務所前よりも、アニメのレギュラー番組を収録しているスタジオ前で待つほうがずっと効率的。収録開始時間は、ラジオなどで声優自身がポロッとしゃべってしまうケースもあり、かつ毎回ほぼ同じ時間帯なので、熱心なファンだったらすぐに特定できてしまいます」(声優業界関係者)
アニメは、作品ごとに収録スタジオが異なるため、スタジオの「特定」には手間がかかるだろうが、ラジオ番組の場合は間違いようがない。
「特に生放送番組であれば、ターゲットの声優は確実にその放送局に来ますから。入り待ち・出待ちをするファンの声かけに対応するかどうかは、事務所やその声優のスタンスによって違いますが、特に公式で禁止をアナウンスしている場合、本人はいい気持ちはしないでしょうね。また、『誰でもいいからいろんな声優に会いたい』という、広く浅い声優ファンの中には、収録スタジオ近くのコンビニやラジオ局近くのファミレスなどでバイトをする人もいます。その場合、事務所や本人は、対策のしようがありませんから、歯がゆいところでしょう」(同)
ファンは少しでも「推し」に会いたいと感じるかもしれないが、声優のプライベートに踏み込むことは、ただのストーカー行為であり、超えてはいけない一線だろう。「推し」に迷惑をかけない、節度のある応援の仕方をしていただきたいところだ。