【連載】現役コスプレイヤーが“業界の闇”ぶっちゃけます。

人気コスプレイヤーが震え上がった、“カメコ”の異常な執着――3年間「無言で」渡され続けたモノ

2020/03/14 18:00
椎名蜜(ライター)

カネと欲望が渦巻くコスプレ業界――40代“現役”コスプレイヤー・椎名蜜が、業界の闇をぶっちゃけます!

人気コスプレイヤーが震え上がった、カメコの異常な執着――3年間「無言で」渡され続けたモノの画像1
マンハッタンさんによる写真ACからの写真

 「華々しいように見えて、コスプレ業界ってゲスい世界だよ!」と、お伝えしている当連載。コスプレイヤーを取り巻く人たちにも、それ相応のドラマがあることを、明かさないわけにはいきません。今回は、コスプレイヤーを撮影するカメラ小僧、通称「カメコ」と呼ばれる方々のお話です。

毎月2万円、黙って振り込んできたカメコ

 私はよく、某フリマサイトで着なくなったコスプレ衣装を売っていました。カメコさんに撮影してもらった“写りのイイ”着用写真に目線を入れ、顔がわからない写真を載せて出品するのが定番。イイ感じの着用写真を掲載した方が、衣装だけの写真を載せて出品するより、単純に売れやすいのです。みなさんも通販で服を買う時、モデルさんがその服を着ている写真を参考にしませんか? それのコスプレ版と思っていただければ、わかりやすいでしょう。

 私は最初、「中古衣装はコスプレイヤーさんが購入するもの」だと思っていましたが、何着か出品しているうちに、そうとも限らないことがわかります。ある時から、衣装を出品するたびに毎回落札してくれる人がいたのですが、その正体は、当時50代の男性カメコ・Aさんでした。私が参加した撮影会や、主催イベントによく来てくれて、写真集を出せばすべて購入してくれる……そんな“熱狂的なファン”です。

 購入した衣装を何に使っていたのかはわかりませんが(いや、なんとなくわかりますが)、そこで私の振込先を知ったAさんは、何も言わず、毎月口座に2万円を振り込んでくれるようになります。当時、ほかのカメコさんからも一眼レフカメラや衣装、ゲーム機などをいただく機会があったので(コスプレイヤー的には「よくあること」です)、自分の中でその2万円は、“妄想代”ということにしてありがたくもらうことに。


 3年ほど振り込まれ続けましたが、ある時ぱったりと止まってしまいました。新しい振込先が見つかったのだろうか……なんだかフラれた気持ちになり、ちょっとショックだったのを覚えています。それ以降、まったく連絡を取っていないので、元気にしているかどうかもわかりません。

 ちなみに、Aさんが勝手に振り込んできたお金は、総額にして70万円くらい。今になって考えると、ありがた迷惑な話です。Aさんには本名も住所もバレているわけですし、事件に巻き込まれるようなことがなくてよかったとも思います。

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