サイゾーウーマンコラム“中学受験”に見る親と子の姿中学受験後の親子関係の落とし穴 コラム “中学受験”に見る親と子の姿 中学受験専門塾に「日に3回」通い、温かい弁当を届け続けた母――その息子が「高校進学」できなかったワケ 2020/03/15 16:00 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) “中学受験”に見る親と子の姿 中学入学も「深海魚」に――担任の先生から呼び出され そんな3年間を過ごした真斗君は、無事S中学に進学した。初めの頃こそ、真斗君は張り切って学校生活に取り組んでいたのだが、徐々に補習に呼ばれるようになり、いわゆる「深海魚」という成績下位が定位置となってしまったという。 焦った朱美さんは真斗君に部活を辞めさせ、家庭教師を付けて、赤点回避に全力を尽くそうとした。しかし、成績はまったく上向く気配はなかったという。 そうこうしている内に、真斗君は中学3年生に進級したが、ある日、朱美さんは担任の先生から呼び出され、こう告げられた。 「このままの状態ですと、真斗君には併設高校への進学は認められないでしょう」 中高一貫校であっても、学力的に進学基準に満たないとみなされた場合は、高校へは上がれない。さらに朱美さんは、担任の先生からの次の言葉に、ショックを受けたそうだ。 「真斗君の場合、学力不足もありますが、それより何より『自発的に何かをやる』という意思に著しく欠けるということが問題です」 つまり真斗君は、全てのことにおいて「指示待ち」の受け身でいるというのだ。勉学も含め、自分でやらなくてはならないことに対してやる気を見せず、誰かが何かをしてくれるのが当然といった素振りでいるので、「友人関係にも心配な面がある」とのこと。 先生が「何をしたいのか?」と聞いても「わからない」と答えるため、「自由闊達、積極的な子を育てることに定評がある本校では、逆に伸びないのではないか?」などと言われたそうだ。 朱美さんはため息をつきながら、自身の行動を顧みた。 「宿泊学習の時に、真斗がメガネを忘れてしまったので、私が現地まで届けたことがあるんです。そう言えば、事前の保護者会で『お母さんたちは、お子さんに構わないであげてください』と言われていたんですが、メガネなしでは、いくらなんでも不自由だろうと思ってしまって……。私のこういうところが、真斗をダメにしてしまったんでしょうか……」 次のページ 「やる気の欠如」で高校への入学許可下りず 前のページ123次のページ 楽天 クックパッドのおいしい厳選!お弁当レシピ 関連記事 中学受験終了後に「死にたい」と葛藤――滑り止め不合格で、本命校を「受けさせなかった」母の自責中学受験でミラクル合格! 月額20万円“課金”で偏差値アップ、「勝ち組親子」が入学後に見た地獄中学受験本番、プレッシャーで「腹痛」に……お試し校「不合格」の親子を救った人物とは?中学受験否定派の「勉強漬けでかわいそう」の声に反論――サッカーをやめた息子の母は語る小4なのに中学受験の過去問で満点取る子も! 受験向け教室の驚きの勉強法を目撃